善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

北区散歩 上中里~東十条・十条

きのうの22日は連休を利用して久々の遠出の散歩。どこに行こうか、あまりいったことのない北区あたりはどうか、と選んだのが、JR上中里駅から飛鳥山公園、名主の滝公園、東十条駅へと巡る散歩コース。施設見学を含めて約2時間半の行程。

まずは朝9時30分ごろ、上中里駅をスタート。駅を出てすぐの平塚神社の境内を通って本郷通りへ。この神社の狛犬が変わっている。向かって左の狛犬、といっても犬ではなく獅子なんだけど、下から子どもの獅子が崖を登ろうとするのを、怖い顔で威嚇する親獅子。千尋の谷に我が子を突き落とす故事を表現しているのだろうか。
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本郷通りを北上していくと、滝野川警察署の前にあるのが「西ヶ原一里塚」。
江戸の日本橋から日光まで続く日光御成道の2里目の一里塚で、徳川時代に設置されたままの旧位置を留めているという。大正時代に道路改修工事に伴って撤去されそうになったが、近隣に住む実業家の渋沢栄一らを中心とする地元住民の運動によって塚は保存され、大正11年3月8日に国史跡に指定された。
といっても大きな2本の榎木しか見えないが・・・。

そこからすぐそばの七社神社はこの地域の鎮守の神社。
例祭日は秋分の日で、その前日のきょうは舞殿でお囃子神楽が奉奏されるというので準備中だったが、ナント境内の中にまで露店であふれ返っていて、舞殿のすぐとなりにも露店や射的コーナーが並んでいた。
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飛鳥山公園はサクラの名所。公園の南は渋沢栄一の別邸があったところで、渋沢栄一ゆかりの施設がいくつかある。
そのひとつ「青淵文庫(せいえんぶんこ)」は栄一の傘寿(80歳)と子爵昇格を祝って建てられたもの。
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国指定の重要文化財。特に内装の細工がすばらしく、職人たちの工夫の細やかさが忍ばれる。
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ステンドグラスの左端には龍の模様。
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絨毯には傘寿を寿ぐ「寿」の文字とコウモリのデザイン。
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「晩香廬(ばんこうろ)」という洋風茶室も国指定重要文化財。1917年に栄一の喜寿(77歳)の祝に清水建設(当時は清水組)から贈られたもの。
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こちらの建物の内装は職人たちの遊び心がふんだんに取り入れられていて、楽しい。

飛鳥山公園から5分ほど歩くと「音無親水公園」。階段を下ったところにある石神井川の旧流路を整備してつくられた水のある公園。この川は昔は音無川と呼ばれていたのだろう。水の量はそれほどないが木陰が涼しく、都会の喧騒を離れた別天地という感じ。
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公園のすぐそばにあるのが王子神社。きょうはなぜか神社が多い。
この神社の入口にある「おみくじの神歌」がおもしろい。
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全部で50あって、1は大吉で次の歌。
「うるわしき神のみさとしあるからは萬(よろず)の願い叶うとぞ知れ」
大凶もいくつかあって、その1つ。
「邪(よこしま)の心ますますさかりにて人を羨み世をばかこちて」
あーコワ。

王子神社から北上すること10分ほどで落語「王子の狐」で知られる王子稲荷神社。
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入口の狐が怖い顔をして巻物をくわえていた。
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ここからさらに5分ほど北上すると「名主の滝公園」。
案内板によると、王子村の名主畑野家が屋敷内に滝を開き、茶を栽培し一般の人々が利用できるようにしたのが始まり。
いくつか滝があるようだが、きょう流れていたのは男滝のみ。なかなか見事だった。
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ここから三平坂というかなりきつい坂を登り切り、10数分歩いたところにあるのが本日の最後の見どころ、十条富士塚
元和元年(1615)の創建というからかなりの歴史を持っている。
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富士塚から5分ほどでJR東十条駅
当初の予定では東十条駅前にあるそば屋で昼メシにするはずだったが、お目当ての店は本日休み。
それならともう1軒めぼしをつけていたそば屋があり、ただし、同じJRでも埼京線十条駅前にある。
JR線は赤羽から枝分かれして京浜東北線埼京線が斜めに南に向かってのびていて、東十条駅十条駅は歩いて10分ほどの距離。
そこで十条駅に至る商店街を歩いていくと、けっこう店が多くて賑わっている。「演芸場通り商店街」と看板にある。
ハテ、園芸の間違いでは?と思いながら歩くと、ホントに演芸場があった。
知る人ぞ知る「篠原演芸場」という大衆演劇専門の演芸場。
この日も「橘大五郎」ののぼりがはためいていて、ファンらしきおばさんが次々と中に入っていく。
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そば屋に着いたのは12時すぎ。
店の名前は「まつ屋」。駅前にあるので席はいっぱい。5分ほど待つ。
まずは生ビールで乾杯のあと、つまみは葉ワサビのお浸しにキノコの天ぷら盛り合わせ。
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その後、日本酒(鶴齢)を冷やで。
〆はせいろ。そばはかなりの細打ち。まるでそうめんのような細さ。そば湯も濃くておいしかった。
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本日歩いた歩数は1万6433歩。