善福寺公園めぐり

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アイルランド旅行記 その11 ダブリン・パブ巡り

帰国前日の7月19日(土)は午後から夜までパブのハシゴ。

なにしろアイルランドはビールがうまい。アイルランドといえばギネスだが、日本で飲むギネスとは味がまるで違う。どこも生ビールを飲ませてくれるからか(目と鼻の先にギネスの醸造所がある)、水が違うからか。
いつも海外に行くと飲むのはワインだが、アイルランドではワインの生産はほとんどしてなくて輸入品しかないというので、ビールばかり飲む毎日だった。
ちなみにギネスビールの値段は1パイント(500㎖)で4ユーロ前後。チェコのバカ安と比べると高いが、日本とあまり変わらない。

パブ巡りの1軒目はDavy Byrnes ( デイヴィ・バーンズ)というジェームズ・ジョイスゆかりの店。1889年創業の店。ジェームズ・ジョイスの『ユリシーズ』にこのパブが登場し、主人公のブルームがここでバーガンディー(赤ワイン)とゴルゴンゾーラサンドイッチをとったという。
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まずはギネスビール。
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つまみは、エビ唐揚げ。
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カニ肉のオープンサンド。
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土曜日でも昼間だからか、客はあまりいない。
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店を出てちょいと歩くと古本屋さんがあって、『ユリシーズ』の初版本らしいのが飾ってあった。
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次にダブリンで一番の繁華街、ティンプルバーと呼ばれる地域へ。ダブリンの歌舞伎町といったところか。
2軒目のパブは Oliver st.john Gogaty(オリバー・セントジョン・ゴガティ)。
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1873年創業の老舗パブ。ダブリンにはおよそ800軒のパブがあるというが、その代表格。まだ昼間だというのに、こちらは店の外まで大賑わい。大音響でエレキギターを掻き鳴らしての生演奏中。ちょうど通りに面したテラスが空いていたのでそこに陣取り、ギネスビール1パイントに生ガキ。さすが島国。カキの養殖が盛んで一年中カキが食べられるらしい。
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店を出て、変わった雰囲気の横町があるのでのぞいてみると、映画のポスターみたいなのが壁いっぱいに張られていた。どれもなかなかの出来ばえ。
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パチパチ写真を撮っていると、ビルの陰にいたお兄さんが首を出し、「この辺はヤバいから立ち去った方がいいよ」というので退散。

オコンネルストリートを歩いていると、針のように尖ったタワーがそびえていた。
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高さ120mもあるという。ステンレス製で先端部分が光りを発する仕掛けになっていて、「光のモニュメント」または「スパイヤ」と呼ばれ、ダブリンのランドマークタワーなんだとか。

タワーのすぐそば、オコンネルストリートのわきに、ジョイス銅像があった。
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3軒目はjohn Mulligun(ジョン・マリガン)。1782年創業というから、ここも古い。
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やっぱりギネスビール。あきない味。グラスがどこか官能的。
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この店、これこそ「正しいアイリッシュパブ」という感じで、店内は至って静か。BGMも流れていない。カウンターの向こうでいかめしそうなオジサンがむっつり顔でギネスを注ぎ、カウンターの2人の男とぼそぼそと何やら話をしている。
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聞こえる音はそのボソボソだけ。
何かつまみを注文しようかなと思ったら、メニューがない。カウンターの奥に目を凝らすと、ナッツの小袋がつながってぶら下がっていた。
正しいアイリッシュパブではただ黙々とギネスビールを飲み、友人同士の会話を楽しむものなのだ。
ううむ、ダブリンのパブ道の奥は深い。

結局そこではビールだけにして、少し歩いたところにある「ビストロ&コーヒーハウス」という名の店へ。
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やっぱりギネスビールに、スパイシー味のチキンウィング(手羽先の唐揚げ)。
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この手羽先揚げがどこか昔食べた名古屋の「風見鶏」の味に似ていて、ダブリンのB級グルメという感じでけっこういけた。このチキンウィング、ダブリンっ子に人気のメニューだという。

店は現代的だが、外に出て振り返ると、由緒ある建物っぽい。
あとで店のホームページを見たら、タバコ男爵のトム・ギャラハーという人が1891年に建てた建物だとか。
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翌日は早朝、クロークパークホテルを出発し、アブダビ経由のEY42便・EY878便乗り継ぎで成田着は翌21日(月)の午後。
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飛行機内のエンターティメントは貧弱と思っていたら、よく見ると日本語版の映画の最新作がけっこうあった。
『レイバーディ(Labor Day)』という映画は日本でも『とらわれて夏』という邦題で公開されたばかり。
主演女優は「タイタニック」でヒロインを演じたケイト・ウィンスレット
ホロリとさせられる映画だった。

成田に到着すると、東京は30度を越える酷暑。夏でも20度前後で涼しいアイルランドに戻りたくなった。

(終わり)