善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

エネマネハウス2014

きのう(30日)は29~31日まで東京ビッグサイト東雲臨時駐車場(りんかい線東雲駅下車5分)で開催中の「エネマネハウス2014」を見に行く。

大学と企業が連携して、“2030年の家”をテーマに「エネルギー」「ライフ」「アジア」の3つのコンセプトの下、先進的な技術や新たな住まい方を提案するモデルハウス5棟を建築・展示するもので、今回が日本で初めての展示、という。
エネマネとはエネルギー・マネジメントの意味か。

たしかに今の日本、住宅の省エネ化が課題となっていていて、対策の1つとして「ネット・ゼロ・エネルギー住宅(ZEH)」が注目されている。
ネット・ゼロ・エネルギー住宅とは、省エネに加えて太陽光発電など家自身もエネルギーを生み出して、住宅の年間のエネルギー消費量が正味(ネット)でゼロとなる住宅のことだとか。

この「ネット・ゼロ・エネルギー住宅」を広く国内だけでなく、海外、特にアジアに普及していくためにはどうしたらいいか。エネルギー消費量だけでなく、快適さやその国の気候・風土に合った住まい方が重要であり、どんな住宅づくりをしていったらいいか、という課題の解決を目指して、建築、エネルギーなどで先端的な知見を持っている大学と、商業化のノウハウや顧客ニーズを持っている企業が連携して未来のモデルハウスを展示し、実証実験もやろうというのが「エネマネハウス2014」。

予選をへて、参加したのは慶應、芝浦工業、千葉、東京、早稲田の5大学と各協力企業。
5つのモデルハウスを1棟1棟見て回ったが、どれも力作で、いろんな工夫がされていた。

一番「いいな」と思ったのが慶應義塾大学の「慶應型共進化住宅」。
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まず住宅のデザインがいい。やっぱり住むのならゼロエネルギーも大事だが「住みたい家」の魅力も重要。
ここの住宅はCLT(交差積層集積材パネル)という木材を使っているが、全面に張られていて、木の質感と温もりがいい。温かみとは実際の温度だけでなく肌触りとか気分も大事だ。

説明してくれた池田教授によると「この家はライフスタイルとともに進化する家」だという。
室内は食卓を中心とした段差で仕切られた一体空間。住み方によって使い方は変化していっていいし、エネルギー管理も住み手の制御により進化が可能という。つまりは住む人とともに進化していく家、というので「共進化住宅」というわけなのだろう。
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次によかったのが東京大学の「CITY ECOX(2030年における都市型集合住宅のZEHプロトタイプ)」。低層階の集合住宅をイメージしたプラン。
デザイン的にはパッとしないが、気に入ったのは「可動PVルーバー」。
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集合住宅の壁面での太陽エネルギーを最大活用しようと、壁面に発電パネルを設置しているのだが、これが太陽の季節変化、日変化に合わせて動く仕組みになっている。
さらに庇(ひさし)の役割も果たしていて、夏は張り出した形になって庇としてバルコニーに影を落とし、冬はせり上がって室内への日射を最大にする。
まさに昔の日本の家にあった庇の復活。その発想こそ大切だ。

こちらは早稲田大学の「HOUSE 重ね着するすまい」
ハンモックをつったりして遊び心も。
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各大学の住宅を巡っていると学生たちが熱心に自分たちの作品を説明してくれて、建築の未来を感じた。