善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

国立決戦でFC東京を熱烈応援

サッカーJ1リーグのFC東京ヴィッセル神戸の試合観戦のため東京・千駄ケ谷の国立競技場へ。

友人にFC東京の熱烈サポーターがいて、いつもホームゲームは調布市にある味の素スタジアムで行われるのだが、5月の対川崎フロンターレ戦に続き、国立競技場でホームゲームが行われるというので、切符をとってもらって友人たち総勢6人で出かけていく。

 

国立競技場は2022東京オリンピックパラリンピックのメイン会場とするため旧国立競技場を壊して建て替えられ、2019年開場。オリンピックは無観客だったし、その後も行く機会はなく、競技場内に入るのは初めてだった。

 

JR千駄ケ谷駅や地下鉄・国立競技場駅から東京体育館を挟んでほとんど目の前にあるから、日本で一番アクセスのいいスタジアムといえるかもしれない。

続々とサッカーファンたちが集まってくる。

この日の入場者数は5万人に近く、大変な人の数だ。

 

国立競技場のデザインは建築家の隈研吾が担当。

彼は明治神宮外苑などの周辺との調和を意識した「杜(もり)のスタジアム」のコンセプトを掲げ、鉄骨と木材のハイブリット工法を採用。最大高さを47・4mと比較的低く設定することで、水平ラインを強調した構造になっている。

屋根やひさしを見ると木材がふんだんに使われているのがわかる。

3層の庇(ひさし)は、法隆寺の五重の塔からヒントを得たといわれる。

しかし、五重の塔にしても、ほかの建物にしても庇は斜め下に張り出しているのが普通だが、国立競技場の庇はやや上を向いている。

われわれが陣取ったのはバックスタンドの2層目の席。

客席には1層目が20度、2層目が29度、3層目が34度というふうに勾配がつけられていて、3段階の勾配があることでどの席に座ってもフィールドが近く感じられる工夫が施されているのだとか。

客席は屋根で覆われている。

屋根にも木材がふんだんにつかわれていて、その下にいると、やわらかな木肌のおかげなのか気持ちが安らぐ感じになる。

客席を覆う長い大屋根は、競技場に差し込む直射日光を遮ってくれるし、雨のときも安心。一方、フィールドには屋根がないので、空がよく見える。

屋根がないから客席には冷房は効いてないだろうが、涼しい風が吹いてくる。

国立競技場には自然の風が吹き抜けていく「風の道」がある。

外壁を覆う最上段の「風の大庇(かぜのおおびさし)」を始め、やや上向きの庇のおかげでスタジアムには風が入ってきやすいようになっている一方、入ってきた風はフィールドの熱による上昇気流によって上空に抜けていくような仕組みになっているのだとか。

フィールドでは練習が始まった。

その間に持ち込んだお弁当に舌鼓。

午後7時のキックオフの前にはイベントも盛りだくさん。

スケートボード選手の堀込雄斗選手によるパフォーマンスや、SNSを中心に人気になっている“新世代シンガー”、yamaのミニライブでボルテージが高まり、選手紹介のときには花火が打ち上げられた。

サッカーの試合は、半分お祭でもある。

熱狂的サポーターが陣取るゴール裏のFC東京応援席。

対するヴィッセル神戸の応援席。

 

いよいよ試合開始。

互いに点を取り合う白熱の展開となった。

ゴール前での攻防。

むろんわれわれはFC東京を応援。ゴールすれば立ち上がって「やったー」と叫び、シュートに失敗したりしても熱烈拍手。真夏の夜空の下、天然芝の緑の中で繰り広げられる熱戦に、声を枯らして応援し、点が入ると歓喜のハイタッチ。失点すればくやしがり、観ている方も一緒に試合に参加している気分になって、あっという間の90分間(前半45分、後半45分だが、途中、ファールの判定をめぐって試合がストップしたりしたから実際にはそれ以上)だった。

やっぱり、サッカーに限らず、スポーツ観戦はナマで見るに勝るものはないねー。

 

結局、ホームチームFC東京が前半に先制点を上げて後半へ。そのまま勝っちゃうかと思ったら、後半のアディショナルタイムに入ってから相手のPKで同点。するとFC東京は再びゴールしてまたまた1点リード。今度こそ勝ったと思ったら最後の最後に同点ゴールを決められ、引き分け。

勝点32の10位と中位に沈むも、ホームである国立決戦で負けられない東京に対して、勝点48で2位につけ、クラブ史上初のリーグ優勝をめざしている神戸にとっても負けられない試合。互いの意地の張り合いで、痛み分けとなった感じ。

 

帰りは千駄ケ谷駅から中央線に乗って西荻窪駅下車。

南口の居酒屋「ひで」でイッパイ。

生ビールで乾杯のあと、日本酒。食べた料理の数々。

試合を振り返りながら飲んだり食べたり。

きょうだけFC東京のサポーターになった1日だった。