善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

花の奥ゆかしさ比べ

火曜日朝の善福寺公園は曇り。風はあまりないが涼しい。

もう夏も終わり秋っぽくなってきたが、フヨウとムクゲはまだ咲いている。
フヨウもムクゲも似たような花を咲かすが、よく見ると雌しべの形に違いがある。
雌しべは先端の柱頭、花柱、将来の子孫を宿す子房に分かれる。花頭に雄しべからの花粉がくっつくと、精子(といっていいのか?)が花柱を伝っていって子房に達し、受精に至る。
フヨウもムクゲも、花柱がとても長い。
こちらはフヨウの花柱。先端が曲がっていて、上に反り返っている。
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こちらはムクゲの花柱。まっすぐに伸びる。
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何でフヨウの花柱は先端が反り返っているのか?
花を見るたびに不思議に感じ、太陽の光が恋しいからか、と思ったりしたが、フヨウの花柱は雄しべと雌しべが合体した「蕊柱(ずいちゅう)」というのだそうだ。
蕊柱の中心つまり管の部分には雌しべの花柱が通っていて、外側にはたくさんの雄しべが生えている。先端は雌しべの花頭で、太陽の光を求めているのではなく、雄しべの花粉を求めてネジ曲がっているのではないか?

しかし、それをいうならムクゲの花柱も蕊柱で、雄しべと雌しべが合体した形という。なぜフヨウだけ反り返っているのか?
ウーム、なかなか肉感的な雌しべなのかもしれない。

朝の散歩からの帰り道、花柱が気になってほかの花を見ると、アサガオの花柱もけっこう長くて、花弁がラッパみたいになっているからよく見えないだけ。
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サルビアは管状の花なので、花柱が外からはまるで見えない。恥じらい型か?
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一方、こちらはニチニチソウ
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肝心なところは穴があいていて、花柱どころか雌しべも雄しべも見当たらない。穴の中にひっそり隠れているのだろうか?
奥ゆかしさの極致。