善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

ホーチミン散歩5 ベトナムのセラドン

ホーチミン4日目の最終日は、まずはホーチミン在住華人の街、チョロン地区へ。
途中の店をのぞくと、きっと子ども用だろう、カラフルなヘルメットが並んでいる。さすがバイク天国のホーチミン
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タクシーで「ビンタイ市場」をめざす。
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市場をひととおり見てまわったあとは街の“探検”。それぞれ分野ごとの店が1カ所に集まっているので、漢方薬の店ばかりが並ぶ通りがあれば、文房具の問屋街、金物屋街、バイク部品屋が並ぶ通り、祝祭用品屋街、金魚屋が並ぶ通りなどなど、それぞれ特色がある。

それにしても3月とはいえ日中の日差しはきびしく(何しろ連日30℃以上)、途中で息切れ。
四つ角にあるカフェを見つけてしばらく休憩。
ところがこの店、メニューは?と聞いても、メニューはないらしい。「それならお茶を」と冷たいお茶を飮んでゆっくりして、お代は?と聞くとむこうは困った顔をして、指を1本立てて「まあ1万ドンでいいや」。1万ドンといったら40円ほど。どうやらお茶はサービスで出ているらしくて、1万ドンは「休憩料」ということか。

お昼は、歩いている途中で見つけた餃子の店。
「ダイ ヌゥン」という店で「大娘水餃」という漢字の看板もかかっている。
水餃子と焼き餃子を注文。これがまたビールに合ってウマイ!
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その後は再びタクシーで市の中心部へ。
このときのタクシー代が一番高くて、10万ドンぐらい。日本円にすれば400円ほど。
2011年2月に完成したというホーチミンで一番高いビル「ビテクスコ・フィナンシャルタワー」で降ろしてもらう。
地上178m、49階にある展望台から見るホーチミンの街並み。
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再び街歩きを続けるが、暑いからすぐ休憩したくなる。
パッションフルーツジュースのうまいこと。
フレッシュジュースで1杯30~40円ほど。
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骨董街で焼き物を見て回る。
いつも旅の楽しみの1つは陶器・磁器などの焼き物を探すこと。
ベトナムはというと、ハノイ近郊のバッチャンというところで焼かれるバッチャン焼きなどが知られる。いくつかの店をのぞくが、あまりいいものはなかった。焼き物の専門店よりむしろ、家具を売る店とか、アクセサリーを売る店なんかに気に入ったものがあり、ポットと小皿をお土産に買う。

骨董街ではさすがにすばらしい焼き物と出合えた。いくつかの店を回るが、李朝時代とか、大昔に焼かれたセラドン焼きの器が次々と出てくる。
ベトナム李朝は1009年から1225年までに栄えた王朝というから、800年ぐらい前のこと。
ラドン焼きというとタイ北部が本場と聞いたが、その昔はベトナムでも焼かれていたのだろうか。あるいはタイから取り寄せたのか?

ラドンとは青磁の焼き物のことをいい、釉薬に含まれる微量の鉄分が高温によって還元され、青緑色の器に焼き上げる。
骨董屋で見たベトナムのセラドンの青緑色は、何ともいえない深い色合いだった。年月をへているからだろうか、青緑色がただの青緑ではなく、いろんな色に見えてくる。セラドンの特徴なのか、絵柄などは一切なく、ただ無地の色で、じっと見入っていると哲学的な気持ちにさえなってしまう。
値段を聞いたらUSドルでけっこうな値段。買えない額ではないが、普段づかいの器を買いたかったので、見るだけにして買うのはやめた。

以前、タイのチェンマイに行ったときセラドンのお皿があって、それは現代の焼き物でそれほど高いものではなかったので購入し、普段使っているが、気に入った皿の1つだ。

ひょっとしてベトナムでも現代焼き物のセラドンがあるかと探したが、見つけられず、骨董屋で出合えた。

一説にはセラドンの呼称はかつてエジプトを支配したスルタンの1人、サラディンから転化したものともいわれるが、イスラムといえば「青」。ベトナムの緑色がかった「青」とも共通するものがあり、ペルシャ・アラビアとの融合があるのだろうか。

それにしてもあの深い緑青のセラドンの色合い、東京に帰った今も、夢に出てくる。

ホーチミン散歩・おわり)