悪天候の中、飛び立ったアトランタ行きの旅客機が突如、原因不明の急降下を始める。ウイトカー機長(デンゼル・ワシントン)は墜落寸前に機体を回転させ、背面飛行により急降下する飛行機を立て直し、奇跡の胴体着陸を成功させる。
多くの命を救った彼は一夜にして英雄になるが、血液からアルコールが検出されたことで疑惑が浮上する。果たして彼は真の英雄か、それとも犯罪者なのか──。
多くの命を救った彼は一夜にして英雄になるが、血液からアルコールが検出されたことで疑惑が浮上する。果たして彼は真の英雄か、それとも犯罪者なのか──。
冒頭の背面飛行のシーンがすごい。急降下を続けて、水平飛行ができなくなった100人乗りの旅客機を、背面飛行させることによって水平に戻し、再び回転させて元に戻って草原に緊急着陸するのだが、真に迫っていて、息もつかせない。
よく戦闘機のアクロバット飛行で背面飛行するのは聞いたことがあるし、映像でも見たことがあるが、巨大旅客機が背面飛行なんてできるのだろうか?
しかし、実際に背面飛行した旅客機もあって、1955年にシアトル郊外でボーイング707の試作機がデモ飛行したとき、テストパイロットが勝手に背面飛行したときの映像が残っていて、それをみると確かに旅客機も背面飛行できるみたいだ。
それはともかく、映画の中でアクションといえばそれだけで、話は意外な方向に進んでいき、最後はデンゼル・ワシントンだからこそ観客の心をつかめたと思える結末が待っていて、泣かせる。
彼が2度目のアカデミー賞主演男優賞にノミネートされた理由も、映画を見終わってよくわかった。
ジョン・グッドマンが主人公の怪しげな親友役で登場していて、いい味付けをしていたが、彼はクリント・イーストウッド主演の『人生の特等席』でも老いぼれプロ野球スカウトのイーストウッドの人情味あふれた友人兼上司で出ていた。今回はまるで違う役柄で、大いに笑わせてくれた。
山田洋次作品に脇役でよく出る笹野高史みたいな感じ。
山田洋次作品に脇役でよく出る笹野高史みたいな感じ。