善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

愛宕・新橋散歩

きのうは先日行ってファンになったフレッシュチーズの店「フェルミエ」再訪と、あわせて散歩もしようと虎ノ門へ。

地下鉄の駅を出て7~8分歩くと、愛宕山の下に着く。山頂には愛宕神社があり、三等三角点があって標高25・7mと記録されているとか。天然の山としては23区内最高峰。ちなみに人造の山で最高峰は新宿の戸山にある箱根山で、標高44・6m。

愛宕神社は徳川家ゆかりの神社。3代将軍・家光(NKKで放送中の大河ドラマ『江』の息子)が増上寺に参詣のおりに立ち寄り、山上の梅が咲いているのを見て、「梅の枝を馬で取ってくる者はいないか」と問うたところ、讃岐丸亀藩の家臣、曲垣平九郎が「せっしゃが」と見事馬で石段を駆け上がって枝を取ってきたので、アッパレとほめたという逸話が有名だ。

また、NHKの前身であるJOAK(東京放送局)があったのも愛宕山で、日本初のラジオ放送がここから発信された。今はNHKの放送博物館となっている。
その愛宕山の坂をのぼっていくと途中にあるのが「フェルミエ」。おいしそうなチーズが並んでいるが、チーズの知識が皆無な当方、どれがどんな味やらまるでわからず、アレコレ迷うばかり。
たしか先日、オーナーの本間さんは初心者のチーズの選び方として「白カビのチーズとか、ブルーチーズのやさしい味のもの、ヤギのチーズはクセがあるのではじめはあまりクセがないもの、などを少量ずつ試すといい」とおっしゃっていた。店員さんのアドバイスも受けて、ようやく何種類かを選んで購入。

店を出て山頂をめざし、神社で願い事。ちょうど結婚式が行われるところで、神官の先導で花婿花嫁がシズシズと歩いていた。
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神社の向いがNHK放送博物館で入場無料というので入る。当時の写真や台本、音声、映像、機材などが展示されていてラジオ・テレビの歴史がよくわかる。土曜日だというのに客もあまりおらず、ゆっくりと見て回る。おもしろかったのが「元旦の鶏の鳴き声中継(1929年)」の写真。鶏の前にマイクが置かれてある。コケコッコーと鳴くのを待っていたのだろうか?
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曲垣平九郎が馬で駆け上ったという階段はさすがに急だ。これを下って、新橋をめざす。
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1時ちょい前にそば屋に到着。
「新橋ときそば」という十割そばの店。新橋の裏通りにあって、店内は細長い感じでカウンターがあって奥にボックス席とテーブルが2つ、3つ。
ナントBGMが落語。始めテレビかラジオかと思ったらいつまでも続いているので聞き耳を立てていると、どうやらBGMのつもりのようだ。あとで聞いたらその通りで、CDを流しているんだとか。
さすが、落語に出てくる「ときそば」という名前の店らしいな~と膝を打つ。

この落語のBGMが耳に心地よい。もっとも噺家は先年なくなった六代目春風亭柳橋。村山元総理みたいな長い眉を思い出すが、苦みばしった声でトツトツとしゃべるから、BGMにはピッタリかもしれない。

生ビールのあと「赤富士」と「影虎」を癇してもらう。
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酒のメニューがちょっと貧弱なのが気にかかる。
つまみは豆腐のみそ漬け、だし巻き卵、そば味噌付け焼き、わさびの葉っぱのお浸し、ピリ辛コンニャクなど。
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〆のそばは、もりそばに剣客そば。
「剣客」の名前にひかれて注文したが、ご主人に聞いたら池波正太郎の『剣客商売』に由来しているとか。田舎そばのぶっかけで、ねぎともみ海苔、かいわれ大根がのっている。これが意外とおいしかった。もちろん、もりそばも、心持ち細めに切ってあって、うまい。
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そば湯もおいしかった。
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ご主人はまだ若い感じ。これからが楽しみな店。ただし、お酒はもうちょっと吟味して、いいのを揃えてほしいな~。

新橋 ときそば
東京都港区新橋5-33-3
03-3436-7959
月~土 11:30~14:00(L.O.)
月~金 17:30~22:00(L.O.21:30)
日・祝休み