善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

西荻窪 和食なない

24日(金)の夜は縁あってシンクロナイズド・スケーティングチーム「神宮Ice Messengers」を観るためJR千駄ヶ谷駅近くの神宮外苑アイススケートリンクへ。

フィギュアスケートにシングルやペアの競技があるのは知ってるが、シンクロまであるとは知らなかった。「神宮Ice Messengers」は日本のトップチームで、4月にアメリカ・コロラドスプリングスで開催される世界選手権に日本代表として出場するため、その壮行会・発表会が行われた。

神宮のスケートリンクは中・高時代に滑りに来て以来で、懐かしい。
演技中は写真撮影禁止というので、始まる前の製氷作業をパチリ。
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会場には選手の家族や応援する人たちがたくさん訪れていて、20人の選手が揃いのコスチュームで一糸乱れぬ演技。
スピードと華麗な動きがとてもすばらしく、惜しみない拍手が送られた。

世界大会出場チームのほかにもノービスチームやシニアチーム、それにシングルの演技なども行われたが、会場の寒さ(当然のことながら暖房は入ってない)に音を上げて早々に引き揚げる。 

帰りにイッパイとJR西荻窪駅に降りたのは午後9時ごろ。
電車から降りるとホームにはヤキトリのにおいが漂っていて、いかにも庶民の街・西荻らしい。

月末でハナ金とあってか、飲み屋はどこもいっぱい。
ただし、にぎやかな通りに1カ所だけ静かな空間があった。
ビルの1階はそば屋なのだが、客はだれもいない。
「こりゃ危険だな」とその店はパス。2階にも別の店があるらしいのだが、階段をのぼるあたりに小さな紙がぶら下がっているだけで、そこにメニューが印刷されてある。
それを見て、一緒に行ったツレアイは何かを感じたのか「この店にしよう」という。飲み屋探しの動物的カンか?
「それなら」とトコトコ階段をのぼっていくと、マンションのドアみたいになっていて、看板も何もない。
恐る恐るドアを開けると明るくてあったかそうな空間が広がっていて、「和食 なない」という店だった。

先客は2組ほど。テーブルもあるが、コの字のカウンターが中心らしく、13、4人ぐらいが座れるだろうか。
コの字のカウンターの向こう側が厨房だが、ふつうカウンターと厨房の間は高い壁で隔てられたりしているものだが、この店の厨房はオープンキッチンみたいに開放的で、バリアフリーみたいに段差もなく、若い店主の仕事ぶりがよく見える。というか丸見え。
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飲み物は、ハートランドビールのあと、日本酒。
店主の好みで毎月銘柄を変えるという。
きのう飲んだのは山形の「楯野川」純米大吟醸、福井の「一本義」無濾過純米荒ばしり、秋田の「雪の茅舎(ぼうしゃ)」山廃純米。
ちなみに茅舎とはかやぶき屋根の家のこと。雪に埋もれたかやぶき屋根の農家が点在する冬景色に由来した名前という。それを聞いただけでも酒が楽しくなる。
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酒が変わると酒器も変わるのがうれしい。
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突出しで出てきたのが季節にちなんだという鳥の出汁で炊いたお粥。
イキなご主人のようだ。
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刺身の盛り合わせが絶品。モンゴウイカ、スズキの昆布締め、しめサバ、ブリのはら身あたりの炙り、生シラス。どれも新鮮で、一品一品手をかけている。
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八丈島産タラノメの天ぷら。なかなか野趣あふれる味。
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おおふく豆の甘煮。漢字で書くと「大福豆」。大粒・白色の豆で、ふつうは甘納豆や和菓子の材料として使われるが、これが不思議と酒のツマミにぴったり。
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去年9月にオープンしたばかりだそうで、店主に、店の看板もちゃんと出てなくてうっかりしてたら通りすぎちゃう感じでそっけなかったという話をすると、あえてそうしたという。
駅のすぐそば(歩いて1分ほど)だけど、あえて入りにくくして、隠れ家的な店を演出したかったのだろうか。
そこが気に入ったのか、10時近くになって次々と客がやってきていた。

お酒はチョイ高い感じもしたが(1合800~1000円)、つまみの値段はだいたいが3ケタで、比較的リーズナブル。
また行ってもいい店。

和食 なない
杉並区西荻南3-10-4 桜ビル2階
電話03-3334-5022
定休日 日曜日・月曜日
営業時間 17時~24時