善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

カワセミの子育て進行中

火曜日朝の善福寺公園は小雨が降ったりやんだり。傘をさして公園1周。

 

きのう開きかけていたハナショウブがきれいに咲いていた。

 

善福寺池カワセミの夫婦、メスのヤエちゃんとオスのマルちゃんが、せっせと小魚を捕らえては巣に向かっている。

やっぱり夫婦協力して子育ての最中のようだ。

 

上池のボート乗り場では、だれもいないのをいいことにアオサギ

悠然と歩いていた。

 

雨にぬれたテントウムシ

多少濡れるのはむしろうれしいのかな。

 

池のほとりにはホシゴイ。

翅の模様が星に見えるからホシゴイ、つまりゴイサギの幼鳥だ。

よーく見ると、目の虹彩が赤っぽくなっている。

ゴイサギ虹彩は、巣立ち直後は黄色で、羽が生えかわっていくにしたがってダイダイ色→赤色と変化していって、3年ほどで完全な成鳥に成長するという。

とすると、まだ羽に星が残っていて幼鳥の段階ではあるものの、2年目ぐらいの成長期のホシゴイのようだ。

 

ところでゴイサギの名前だが、漢字で書くと「五位鷺」で、名前の由来は「平家物語」に書かれていて、巻第五の「朝敵揃(ちょうてきぞろえ)」の次の記述がゴイサギの名前の由来という。

 

この世にこそ王位も無下に軽けれ。昔は宣旨を向かつて読みければ、枯れたる草木も忽ちに花開き実なり、飛ぶ鳥も従ひき。近きころのことぞかし。 

延喜の帝、神泉苑行幸なつて、池の汀に鷺の居たりけるを、六位を召して、「あの鷺捕って参れ」と仰せければ、いかでか捕らんとは思ひけれども、綸言なれば歩み向かふ。鷺、羽づくろひして立たんとす。「宣旨ぞ」と仰すれば、ひらんで飛び去らず。
これを捕って参りたりければ、「汝が宣旨に随つて参りたるこそ神妙なれ。やがて五位になせ」とて、鷺を五位にぞなされける。「今日より後は鷺の中の王たるべし」といふ札をあそばいて、首につけてぞ放たせ給ふ。全くこれは鷺の御料にはあらず、ただ王威のほどを知ろしめさんがためなり。

 

醍醐天皇が二条城近くにある庭園神泉苑での宴の折、池の水際にサギがいたので六位の者に「あのサギを捕らえよ!」と命じた。そこで捕手がサギに歩み寄り、天皇の意向である旨を伝えたところ、サギはひれ伏して飛び去ろうとしない。早速捕らえて天皇に献上すると「命令に従ってくるとは健気なやつ。五位の位にせよ」と命じ、「きょうからサギの王」という札を天皇がつくってサギの首につけて放鳥した。

 

ただし、この話、よく読むと、今でこそ天皇の位はだいぶ軽くなったけれど、昔は天皇か言葉を発すれば、枯れた草木も花を咲かせて実を結び、飛ぶ鳥も従ったものだ。だからこの話も、天皇の権威を知らせたいためなのだ、と「平家物語」では書かれてあって、いささか自虐気味というか、嘆き節に聞こえる。

 

一方、幸田露伴は晩年に書いた「音幻論」(1945年)の中で、「ゴイサギの名は鳴き声がゴイに聞こえるため」としていて、こっちも一理ある気がする。

 

雨の中のアジサイ

飾り花に続いて、ホントの花も咲き出した。

 

けさのハゴロモの幼虫。