日曜日朝の善福寺公園は小雨。気温は低いが空気はそれほど冷たくない。雨のおかげか。
目の前をカワセミが飛んで行ったが、その後は姿をみせない。
どこかで雨宿りしてるのかな?
池のほとりでツクシが顔を出していた。
ツクシは不思議な植物。
春になると顔を出すツクシはそれ自体は植物名ではなく、和名のスギナの胞子茎のこと。
スギナはシダ植物の一種で、地下茎から地上へ出る栄養茎と胞子茎とに分かれ、栄養茎をスギナ、胞子茎をツクシと呼んでいる。
ツクシは食用にもなる。ツクシの役割は繁殖のため胞子を放出すること。胞子は次世代に命をつなぐ生殖細胞のかたまりみたいなものだから栄養価も高く、春の味として珍重されるのだろう。
胞子を放出して役割を終えるとツクシは枯れてしまい、同じ地下茎から今度はスギナが顔を出す。写真にも写っているが、ツクシとはまったく違う外見で、全体的に緑色。
スギの木の先端のように見えること、またツクシが食用とされることから「杉の菜」、転じて「スギナ」と名づけられたといわれている。
一方のツクシは、スギナにくっついて出てくるところから「付く子」、袴と呼ばれる部分があり、そこで茎を継いでいるようにみえることから「継ぐ子」と呼ばれるようになったとの説がある。
さらにその形状が「筆」に似ているというのでツクシに「土筆」の字が当てられたのではないかという。
クサノオウも咲き出した。
よく見ると細かな毛が密生している。
クサノオウの名前の由来は「草の王さま」かと思ったらそうではなく、アルカイドを含むため有毒植物であり、皮膚病の一種である瘡(クサ)の治療薬になることから「瘡の王」の名がつけられたのだとか。
地表に茎をはわせ、節から根を出して広がっていく。そのさまが地面を縛るようだというのでオオジシバリ。すごい名前だ。
名前に比べて花はかわいくて、雌しべの先がくるりと曲がっているところがおもしろい。
本人としては別の花の雄しべと結ばれる他花受粉をしたいんだが、ほかの花の花粉がもらえないと、「しょうがない」というので雌しべの先はくるりと巻いて、同花受粉するという。
帰り道、路傍に咲く白いスミレ。
ただし葉っぱ違うようだから似た花か。