善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

東京都現代美術館(MOT) コンタクツ

今年の初外出は江東区にある東京都現代美術館へ。
例年、1月2日は恵比寿にある東京都写真美術館で、この日だけ無料の展覧会を観に行くのだが、同美術館はただいまリニューアルで閉館中(オープンは2016年秋)。
そこで、やはり無料の東京都現代美術館の常設展示室に行く。

箱根駅伝の第1区の走りを途中まで見て、わが家を出たのは9時ちょい前。
最寄り駅の地下鉄清澄白河駅を下車して、深川資料館前通りを東に行く。
途中、道端に材木がズラリと並んでいて、「賀正」のあいさつがうれしい。
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続いて三十六歌仙の歌。
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何でもこのあたりは江戸時代には材木商が軒をならべていて、最盛期には500軒を超える店が材木を並べて正月飾りとしゃれ込んでいたのだとか。
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木の香りがなんともいえない。

東京都現代美術館の常設展示室で開催中なのは「開館20周年記念MOTコレクション特別企画 コンタクツ(Contacts)」。
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同館所蔵のコレクションのうち、世代や活動領域、手法などの異なる作家同士を組み合わせた企画という。
いくつものおもしろい作品と出会えた。

たとえば、鉛筆だけで描いた関根直子の作品。
鉛筆を持つ手によってこそ生まれる世界。微妙で緻密な線を重ね合わせることにより、モノクロームの流れが形となる。

建築家ユニットSANAA妹島和世西沢立衛)の建築模型にも目が吸いよせられた。
スイス連邦工科大学ローザンヌ校の学習センターの建築模型なのだが、仕切り壁をなくしてつくられた2万㎡もの巨大なオープンスペースがまるで生きているように波うっている。本物を見てみたい。

「初年兵哀歌」シリーズで知られる版画家・浜田知明の「人間の形」シリーズもおもしろかった。

冨井大裕の「ゴールドフィンガー」。壁に画びょうを貼り並べただけの作品なのだが、見事。

中ハシ克シゲの「OTOMI」は、「粋な黒塀、見越しの松」と歌われる日本的な風景を、鉄、銅線、アルミニウムといった金属でつくり上げることにより、新たな美意識を提示する。
これと東山魁夷の「森のささやき」とを見比べるのも一興。

ジュゼッペ・ペノーネの「木の書物」は、7本の木の列柱があるだけなのだが、たしかに書物はもともと木からできている。人と木と書物の関係を問うているのか。

福田尚代の回文。寒桜 ヒツジ草・・・と始まる詩は回文になっているという。なるほどそうだった。

展示室の外には機械彫刻家といってよいのか、ヤノベケンジの作品(「M・ザ・ナイト」と「ロッキング・マンモス」。
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美術館の外にはマルタ・パン(ハンガリー出身の彫刻家)の「裂けた球体」。
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ほかにもおもしろい作品はいろいろあったが省略。
正月早々、タダでこんないい作品と出会えるなんてとご満悦で帰宅したら、箱根駅伝はナント、青山学院大学が往路優勝。