善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

気になるリビア情勢

水曜日朝の善福寺公園は久々の晴れ。小学生がたくさんいる。みんな首からカードを下げている。夏休みもあと1週間。朝6時半からのラジオ体操に参加することで、規則正しい生活を取り戻そうということなのだろう。
上空にはいわし雲? 秋の気配が少しずつ。
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ラジオ体操から帰って朝7時のNHKニュースのトップは「島田紳助、芸能界引退」。日本の行方を左右する民主党代表選びはそのあとのリビア情勢のさらにあと。政治の軽さ。

そのリビアの情勢は最終段階を迎えているらしく、首都トリポリは反政府勢力によってほぼ制圧されたという。

思えばリビアには去年の10月、10日間ほどの日程で観光に出かけているが、まさかカダフィ政権があっという間に瓦解するとは予想もしなかった。

トリポリで泊まったのは、リビア航空が経営しているとかいう「ワハトホテル」で、海に近く、緑の広場とリビアテレビのちょうど中間ぐらいに位置していた。朝、あのあたりを散歩したが、街の空気はいたって平穏だった。今、あのあたりはどうなっているだろう。

もちろん、リビアカダフィ大佐独裁国家であり、国民に自由はなく、さまざまに抑圧されてきた国民の怒りの爆発が、現政権を覆すまでになったのだろうが、私が行ったときはその予兆すら感じられなかった。

少なくとも外から見た限りでは人びとはノンビリ暮らしているように見えた。100%といわれるほどのイスラム教の国で、敬虔な信者が多いから、宗教的対立もない。
何しろリビア原油の埋蔵量が世界の8番目という大産油国。それだからこそ、カダフィがどんなわけのわからないことをいっても、国民は平気でいられるのだろうと思った。街中を歩いていても、押し売りや物乞いはいないし、人びとの表情もくったくがなかった。

すべては石油のおかげだ。それでこの国に税金はなく、教育は無料、医療も無料と聞いた。物価も比較的安く、都市に住む住民には住宅が安価で提供されていたという。それに、一昨年からは国から国民に生活費までも支給されるようになっていて、4人家族の場合、3カ月ごとにドルにして4000ドルが支給されていたという。

カダフィ独裁によって自由が奪われているといっても、街のあちこちにネットカフェがオープンしていて、それほど不自由とは感じなかったが、それは旅行者から見た目にすぎなかったのかもしれない。
外からは見ると不平・不満はないようでも、独裁政治が行われているということはきっとどこかに不公平・不正はあり、国民はじっと耐えていたのかもしれない。

今回の場合、気になるのはヨーロッパ諸国の軍事的な干渉だ。NATO空爆反政府軍をバックアップしているし、ほかにもさまざまな援助が行われているに違いない。
各国が、カダフィ後の石油利権をねらっているという。

本来、国の主権はその国の国民にあり、国民の自由な意思によってその国の政治は行われるべきである。どんな独裁国家であろうと、ほかの国が外から糸を引くなんてことはあってはならない。
今後、民主的な政府の樹立とともに、どのようにして政変が行われたのかの検証が必要となろう。