善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

倉俣史朗とエットレ・ソットサス展

日曜日の善福寺公園は晴れ。きょうもあったかい。

公園を回って、その足で六本木へ行こうと下池から西荻窪駅へ向かう坂道を登って行くと、以前クリーニング屋とか自販機があったあたりで「風神茶屋」というのがオープンしていた。
メニューを見ると「富士宮焼きそば」とか「神戸そばめし」「ホットック(韓国デザート)」など。ビールやジュースもありそう。原価を引いた売上は大震災の義援金にするのだとかで、きのうからはじめたばかりという。ただし、土日限定で、土曜日は13時から16時、日曜日は11時から16時までとか。
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東京・六本木の「21_21 DESIGN SIGHT」で開催中の「倉俣史朗エットレ・ソットサス展」を見に行く。

21_21 DESIGN SIGHTは日本にデザインミュージアムを作りたいという三宅一生の訴えで実現した展覧会場で、設計は安藤忠雄。建物の外観は、三宅一生の服づくりのコンセプト「1枚の布」に着目し、1枚の鉄板を折り曲げたみたいな屋根になっている、とパンフレットにあり。j
内部はいかにも安藤忠雄って感じだが、都心のど真ん中にこんなに空が広いスペースがあるなんて、とまず感動する。
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展覧会のほうは、タダ券があったので行ったので、さほど期待していたわけではなかったが、すばらしい!
エットレ・ソットサスは20世紀を代表するデザイン界の巨匠の1人という。一方の倉俣史朗はインテリアデザインなどで日本を代表する人。倉俣は今からちょうど20年前、56歳の若さで亡くなった。ソットサスも2007年に90歳で亡くなっている。
今回は、2人が特に交流を深めた「1981年」に着目し、それ以降の彼らの作品を中心に展示を行っている。

ソットサスの作品で強烈なのが「カチナ(ドール)」と呼ばれるもの。カチナとは主にアメリカインディアンのホピ族が信仰する超自然的な精霊のことだそうで、そのカチナを形にしたガラスの人形が並んでいる。
ソットサスが最晩年にシチリア島で描いたドローイングをもとに、フランスのガラス工房が制作したもので、世界初公開という。
鉛筆のカチナ、子どものカチナ、怒りのカチナ、家のカチナ、恐ろしい力のカチナなど、どれも奇抜でかわいくて、よくもガラスでこんな表現ができたなと思う。

倉俣作品がまた魅力的だ。「機能を超えた根源的な喜び」の探求。それが倉俣の終生のテーマだったようで、「デザインレスデザイン」、つまりカタチではなく発想を重視する倉俣の作品に目を奪われる。色も形も素材も斬新で、見ていてウームとうなるばかりだ。

いまだかつて、こんなにも発想が刺激されるというか、発想が掻きむしられるといったほうがいい作品を見たことはない、といってもいいほどだ。しかもそれが、イスとかテーブルとか、フォークとか、あまりにも身近にあるものだけになおさら、ああ、こんなにも可能性とは無限に広がっているものなのか、と驚かされる。

カタチの展覧会ではない、感性の展覧会なのだ、と思った。

帰りは六本木駅近くの手打ちそば屋「HONMURA AN」で軽くイッパイ。ビールに、つまみはさつま揚げと、とろろと大根おろしを乗っけたみぞれ豆腐。〆はせいろそば。
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おいしかったが、量の割にはちょい高い。まあ場所代が入ってるからしょうがないか。それに前日にけっこう飲んだので、昼間は軽くしようとお酒は我慢する。お酒のメニューは、剣菱枡酒、久保田大吟醸、八海山、浦霞などとあって、ワインもけっこう充実しているようだ。
そばがきがメニューにあったので注文したが、きょうはやってませんといわれたのが残念。

「HONMURA AN 手打蕎麦」
港区六本木7-14-18
03-5772-6657
12:00~15:00 / 17:30~22:00
12:00~21:30(土日)
月曜、第三火曜定休