善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

セミの脱皮シーン

日曜日朝の善福寺公園は曇り。雨が上がるのを待って出かけたので、公園に着いたのは8時半すぎ。

1周してボート乗り場をすぎたあたりで、太い木の幹にセミの脱け殻っぽいのがある。
頭がやけに白いので何だろうと眺めていると、うしろから来た人が「セミの脱皮だね」という。
ちょうど脱皮をはじめたときだったのだ。
「何だろう」と話しているうちにもうこんなに出てきている。カラに比べるとすでにかなり大きい。
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頭から出てくるが、目のあたりがやや茶色っぽくなっている。

幼虫から成虫へと、体内では急激な変化が起きているのだろう。
必要のなくなった器官はアポトーシスで死に、逆に成虫になるための器官は分化をはじめている。

はじめは横にまっすぐ伸びていく。
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すでに黒い目はでき、緑色っぽいのが羽だろう。
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脚が立派になってきて、羽が折り畳まれた感じになる。

すると今度は下に向かってのけぞるようになる。
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カラから完全に抜け出そうと、ときおり体をくねらせる。

ほぼカラから体が出ると、今度は起き上がる。
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羽はまだ折り畳まれたままだ。

次第に羽が広がっていく。
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完全に脱皮完了。
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飛ぶ昆虫であるセミにとって、羽は欠かせない武器。乾くまでジッとしている。
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ここまで約40分のドラマだった。

その間、足を止めた人は大人も子どももみんな目を輝かせた。
最後のところで通りすがったお年寄りの女性は「おかげさまでいいものを見せていただきました」とこちらに頭を下げてくれた。
いえ、別に私は何もしてないんですけど。でも、ああ、日本にはまだ、人に感謝するという美徳が残っているんだなと思った。