善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

タイアザミ

土曜日朝の善福寺公園は雨上がりで涼しい、と思ったらだんだん暑くなる。

きょうから9月。それでもセミは元気に鳴いている。耳のそばでセミの声がして見上げるとすぐそばの大樹の幹でおなかを震わせて鳴いている。
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スズムシは羽をこすって鳴き、セミは腹部を共鳴させて鳴くというが、実際に観察してみると本当だった。

タイアザミが咲いている。
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キク科アザミ属の多年草。日本固有種で、関東地方から中部地方南部にかけて分布するが、関東に多いからか別名を利根薊(トネアザミ)ともいうらしい。
アザミは北半球に約200種もあるが、日本にはそのうちの3分の1近く(およそ60種)が自生しているという。
和名の「アザミ」の由来には諸説ある。もっとも興味深いのは、アザは沖縄の八重山語でトゲ、イラ(刺)の意。したがってアザミは刺多いものの意、と「日本国語大辞典」にある。たしかにあざみのトゲは痛いの何の。
ということは、アザミは中国あたりから沖縄を伝って本土にもたらされたのか。

タイアザミは、タイが原産のアザミという意味ではなく、大きいアザミでタイアザミ(大薊)。ほかにちょっと滑稽な説としては、トゲにさわると痛い(いタイ)アザミから転じて、タイアザミというのもあるが、ちょっと眉唾。

スコットランドではアザミは国花。13世紀のころ、ヴァイキングが夜襲をかけてきた。夜陰に乗じて攻撃しようと裸足で身を潜めていたヴァイキングたち。ところが、アザミを踏んでトゲの痛さに悲鳴を上げた。その声で敵を知りスコットランド軍は勝利。国を救ったというのでアザミはスコットランドの国花となったという次第。

アザミといえば「あざみの歌」
横井弘作詩、八洲秀章作曲で、歌は伊藤久男

山には山の愁いあり
海には海のかなしみや
ましてこころの花園に
咲きしあざみの花ならば

詞が作られたのは昭和20年(1945)、当時18歳の横井がアザミの花に自分の理想の女性像をダブらせてうたったものだというが、この歌を知ってる人は相当古い。