善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

新宿梁山泊 ジャガーの眼

きのうの夜は超久しぶりに新宿の花園神社に行く。
神社の境内に特設された紫テントで新宿梁山泊の「ジャガーの眼」(作=唐十郎、演出=金守珍)公演(6月14日~22日)。
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花園神社に行くのは何年ぶりだろう。
神社のとなり、ゴールデン街からはずれたあたりに「「唯唯(ういうい)」というロック・バーみたいな飲み屋があり、よく通ったものだ。
靖国通りから、昔流れていた川の上にできた遊歩道を歩いていき、ゴールデン街を突っきったあたりにその店はあったはずだが、きのう行ったらなかった。移転したのか? なくなったのか?

ジャガーの眼」は寺山修司のオマージュのような作品。彼が亡くなって2年後に書かれたという。一戸から八戸までの登場人物はズーズー弁をしゃべり、物語のキーワードとなるリンゴは青森の名産だ。

どんな話かというと、サンダル探偵社を営む探偵・田口は行方不明となった秘書くるみから「ジャガーの眼」を探して欲しいと頼まれる。それはくるみの亡くなった恋人の肉体の一部、「ジャガーの眼」と呼ばれる眼球だった。
くるみの恋人の眼球は「しんいち」という男に移植されていた。失った青春を取り戻そうとするかのようにジャガーの眼を追うくるみ。そしてジャガーの眼は、人から人へと移動するごとに光を増し、活性化し、「しんいち」の体の中で今度は、何を見ようとしているのか・・・。

たまたま隣に座った男性が大鶴義丹の追っかけファンらしく、わざわざ豊橋からやってきて、きょうは東京に泊まって明日は壇蜜の撮影会に行く、といっていた。
その主演の大鶴義丹の演技にはガッカリ。主役がそうだとまわりの演技もかみ合わず、ドタバタの安っぽい大衆演劇みたいな展開(ただ妹の大鶴美仁音の「少年」はよかった。セリフもしっかりしていたし、ジッと先を見るまなざしに力があった)。
第1幕がこれじゃあと途中で帰ろうと思ったほどだが、第2幕でアンドロイド医者の金守珍が出てきて一変。少なくとも彼が出た第2幕だけは、最近見た芝居の中では傑作の部類(そんなに見てるわけじゃないが)。

セリフの中で「善福寺川」の言葉が何度も出ていて、近くに住む住民としてはなぜかこそばゆい感じだった。

芝居がハネたのは10時近く。「おなかがすいたね」というわけで、一緒に行った仲間の一人が連れていってくれたのが「叙楽苑」という台湾料理の店。
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風林会館近くの路地裏の店で、あたりは同じような店が多い。先の大震災のときはどれほど揺れただろう?と心配になるくらい危なっかしい建物の2階にあったが、料理も紹興酒もウマイ!

特に「豚のスペアリブ」は、から揚げにしたスペアリブが食べやすい大きさに切り分けてあって、太めの赤い唐がらしが入っているのだが、これがパリパリとしておいしい。おかげで酒が進み、話も弾んだ。