善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

沙羅の花

水曜日朝の善福寺公園は曇り。南風が強い。

下池をめぐっていると、早くも夏の花、キョウチクトウ夾竹桃)が1輪だけ咲いていた。
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この公園にはキョウチクトウの木が何本かあり、白い花を咲かす木もあるが、この木の花は赤い。

さらに下池をめぐると、池のほとりにツバキっぽい花が咲いている。
帰って調べたら、「沙羅(しゃら)の花」だという。
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和名はナツツバキ(夏椿)。ツバキ科ナツツバキ属の落葉高木で、別名沙羅樹(シャラノキ)と呼ばれる。
なぜ沙羅なのかというと、木肌に光沢があるところから仏教の聖樹、沙羅双樹(こちらはフタバガキ科)に擬せられたのだとか。

娑羅双樹はインド北部原産で、インドの高地などに自生していて、日本で植えても育たないという。
釈迦入滅のとき、この木が四方を囲んで植えられていたが、入滅の瞬間に枯れてしまい鶴の羽根のように白くなったとの伝説から、仏教では聖樹とされている。

ということはホンモノの沙羅双樹の花もナツツバキ同様、白い色なのだろう、と思ってネットで調べると、植物園の温室に咲く沙羅双樹の花があったが、白は白でもナツツバキとは似てもにつかぬ感じ。小さな淡い白黄色で星形をしており、ジャスミンティーにも似た芳香があるという。

平家物語」の冒頭に次の文言。

祗園精舎の鐘の声
諸行無常の響きあり
沙羅双樹の花の色
盛者必滅の理(ことわり)をあらはす
おごれる人も久しからず
ただ春の夜の夢のごとし

娑羅双樹はミャンマーの国花という。

ナツツバキより小さめの花を咲かせるのがヒメシャラ。こちらもやっぱりツバキ科ナツツバキ属で、沙羅とは本来関係ない。

何も沙羅の木なんて呼ばなくても、夏椿もいい言葉の響きだが・・・。

二三滴雨のこりゐぬ夏椿 福田甲子雄

バンの子どもだろう、杭?の上でバランスを崩してオットット
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散歩からの帰り道、区立公園のビワがおいしそうに実っていた。
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