善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

ネコの足? エゴノネコアシ

夏至(21日・金)の朝の善福寺公園は曇り。雨上がりで気温は低め。比較的すごしやすい。

エゴノキ(チサの木)の実が鈴なりになっていて見事。よく見ると、中には合体しちゃったのもある、とさらによく見てみると、ちょっと実とは違う。
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ナントこれは「虫こぶ」なんだそうだ。

バナナの房、あるいはネコの肉球に似た固まり、というので、ついた名前が「エゴノネコアシ」。
しかしてその正体はというと、エゴノネコアシアブラムシというアブラムシが寄生した虫こぶで、しばらくすると先端に穴が開いて、中からアブラムシが出てくるんだそうだ。

で、出てきたアブラムシには羽があり、飛んでいって近くにあるイネ科の植物、アシボソまたはチジミザサの葉っぱの裏にとりついて、そこで卵を産んで繁殖する。
ここで生まれたアブラムシには羽はなく、したがって移動することなくそのあたりで日々を送る。
やがて秋になると、成長したアブラムシには羽が生えてきて、再び飛び立ってエゴノキに移る、という生活史を繰り返しているのだとか。
都合のいいときに羽が生えてくるのか、移動するときにしか羽が生えない哀しさか、虫たちのドラマも変わっている。

すると隣のコブシの木にも、なんだか虫こぶっぽいのが・・・。
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ご安心を。こちらはホンモノのコブシの実。
「コブシ」という名前はこの実が子どもの「握り拳」に似ているところからつけられたのだとか。
今は青いが、秋になると赤く熟れてくる。

ところで、虫こぶはどうしてできるかというと、虫たちが何らかの刺激を与えることによって、植物の細胞や組織に増殖・肥大をもたらし、つくられるのだという。

虫こぶにはたくさん種類があり、日本国内だけで1400種以上が記録されているという。
いかにも果実のように見えて、外敵から身を守る役割も果たしているのだろう。

しかし、中にはコブシの実のように、虫こぶに見えて虫こぶではないのもあるので、ややこしい。

「自然保護区」に回ると、去年も咲いていたアヤメ科の姫檜扇水仙ヒメヒオウギスイセン)。
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そして、夏至のころに見られるのが「半夏生ハンゲショウ)」の白くなった葉っぱ。
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上のほうの葉っぱがペンキを塗ったように白くなるので、「半化粧」とも。
半夏生」は本来、夏至から数えて11日目ごろの暦日のことだが、そのころに花を咲かせるドクダミ科の植物。ヒョロヒョロと花も咲いていた。