善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

またもカワセミ

海の日の善福寺公園。朝から強い日差し。しかし、風はいくらか涼しい。

クチナシの花がたくさん咲いていて、いい匂い。開花当初は白だった花の色は、やがて黄色くなっていく。白と黄色が2つ並んで咲いていた。
イメージ 1

そういえば「くちなし色」といえば黄色っぽい色をいう。黄金色が黄に傾いた色、といったらよいか。
ただし厳密には日本の伝統色の「梔子(クチナシ)色」とは、クチナシで染めた黄色にベニバナの赤をわずかに重ね染めした色を指し、クチナシのみで染めた色そのものは黄支子(きくちなし)と呼んで区別されているという。

いずれにしても「くちなし色」の黄色とはクチナシの果実を原料にして染めた色のこと。クチナシの果実は染め物以外でも、甘露煮やきんとんの黄色を鮮やかにするのれも使われる。
この果実は、熟しても実が裂けないことから「口が開かない」「口がない」、転じて「くちなし」となった。
新古今和歌集』に次の歌がある。

ここのへにあらで八重咲く山吹のいはぬ色をば知る人ぞなし(円融天皇)

「いわぬ色」とはくちなし色のことで、八重咲きの黄色い山吹をくちなし色に例えている。

クチナシの花は、白さよりも枯れる間際の黄色にこそ、いのちのほとばしりがあるのだろう。

上池をめぐっていると、スイレンの近くの木陰にきょうもカワセミ
イメージ 2

きょうで3日連続出会えた。
この3日間の連休は少し遅く起きて、「梅ちゃん先生」を見てから散歩を始めているから、公園到着は8時半ごろ。今ごろはカワセミもこの時間帯にエサとりなのだろうか。

居合わせた友人によると、カワセミにしてはちょっと小さいから、子どもでは? という。
たしかに、いつもなら近づくとスィーッと逃げていくが、きょうはかなり接近してもジッとして動かない。まだ敵の怖さを知らないからか?
ただし、かなり近づいていっても広角レンズだとこれが精一杯。

下池にまわると、樹木の周りに小さな穴がいっぱいあいている。セミの幼虫が地上に出てくるときにつくる穴に違いない。
イメージ 3

でもちょっと早すぎないか?
そう思って池の端のサクラの大木をしげしげとながめると、見慣れぬ虫が這っている。
テレビの「ナニコレ珍百景」じゃないが、体の両脇に白と黒のヒダヒダがあって異様な風体。ナニコレ?
イメージ 4

帰って調べたら、ヨコヅナサシガメ横綱刺亀)と判明。カメムシ目サシガメ科に分類されるカメムシの一種。もともと中国から東南アジアにかけて分布していて、昭和の初期に貨物に紛れて九州に入ってきたと考えられていて、その後次第に生息域を拡大して今では関東地方でも見かけられるようになったという。

白黒のヒダヒダが「横綱の化粧まわし」のように見える、というので「ヨコヅナサシガメ」。
サクラなどの大木の樹幹に集団で生息する。カメムシだけど肉食で、ほかの虫に太い口を刺して体液を吸うのだとか。ゾーッ。
たしかに、木の穴から這い出してきたちいちゃな幼虫に口を伸ばして、チューチュー吸っていた。
イメージ 5


下池のスイレンのあたりで、アオサギがポーズを決めていた。
イメージ 6