善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

「ヒア アフター」 大泉学園 デラ カーザ

きょうからロードショーが始まったばかりの「ヒア アフター」を観に大泉学園のT・ジョイ大泉へ。ここも事前にネット予約が可能になって便利になったのはうれしい。しかも交通費はバス代の往復420円。

「ヒア アフター」とは「来世」という意味だとか。「死後の世界をめぐる映画」だそうだが、監督がクリント・イーストウッドだというので観に行く。

物語は──。

パリで活躍するジャーナリストのマリー(セシル・ドゥ・フランス)は、恋人と一緒に休暇で訪れていた東南アジアで数十万人の命を飲み込んだ津波に遭遇。仮死状態となり一命を取りとめるが、そのときの臨死体験が忘れられない。

一方、サンフランシスコで暮らすジョージ(マット・デイモン)は、ある事故か病気かの後遺症で死者と交信できる特殊能力を持つようになり、一時、霊能者として活躍したものの、「このままでは自分がダメになる」と霊能者の仕事を封印し、工場で働いている。

ロンドンでは、双子の兄と暮らす少年マーカス(ジョージ・マクラレン)は交通事故で兄をなくす。薬物中毒の母と別れ、里親に預けられたマーカスは、もう一度兄と話したいとネットで霊能者を探し出し訪ね歩くものの、みんな嘘っぱちばかり。
その3人が、やがてロンドンで出会う。

冒頭、いきなり津波のシーンがあらわれ、それが圧巻。今年の米アカデミー賞視覚効果賞にノミネートされているというが、このシーンが間違いなく入っているだろう。
「死後の世界」というと、怪しげな雰囲気が漂うが、さすがにイーストウッドが手がけただけあってヒューマンな作品に仕上がっている。音楽もイーストウッド

死と向き合うこと、それは生きる意味を探ること。

それがこの映画のテーマであるに違いない。特に映画の最後で、死んだ兄と会いたいと叫んだ孤独な少年は、薬物中毒から社会復帰した母親と再会して、迷うことなく母の胸に飛び込んでいく。それは、死者である兄の後を追うのでなく、生きる希望を持ったからにほかならないだろう。

話は変わるが、最近たまたま興味があってモーリス・メーテルリンクの「青い鳥」を読んだが、メーテルリンクは死後の世界を信じる心霊主義者として知られる。しかし、「青い鳥」を読む限り、彼は万物に命を宿らせ、死を見つめることで生きることの大切さ学ぶべきだと訴えているように思える。

映画のあとは大泉学園駅近くのイタリアンレストラン「デラ・カーザ」へ。
最近、このルートが定着してきた。前回来たときのイタリア産ワインがおいしかったので、本日はフルボトルを注文。
南イタリア・プーリアでつくられた「プリミティーヴォ デル タランティーノ」とかいう赤ワイン。鉱物系とフルーティーな香りが広がり、時間が経つつれて味に深みを増していく。
プーリアはアルベロベッロやマテーラがあるあたり。以前旅行で行った懐かしさが湧いてくる。

料理は前菜に、2人で行ったのでパスタをシェアしてもらったが、特に4種のチーズであえたペンネが絶品! 思わずお皿をきれいになめてしまった(もちろん指で)。
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