善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

証言拒否 リンカーン弁護士

マイクル・コナリー『証言拒否 リンカーン弁護士』(上・下、吉沢嘉通訳、講談社文庫)
自分の事務所がリンカーンの車内という弁護士ミッキー・ハラーのシリーズ4作目。

ローン未払いを理由に家を差し押さえられたシングルマザーが、大手銀行副社長撲殺の容疑で逮捕された。彼女は仲間を募って銀行の違法性に抗議するデモを繰り返す有名人。高級車リンカーンを事務所代わりに金を稼ぐ、ロスきっての人気弁護士ミッキー・ハラーは社会的注目を集める容疑者の弁護に乗り出すが、果たして・・・という物語。

法廷でのやりとりが克明に描かれるリーガル・サスペンス

アメリカの法廷では判事の木槌がつきものかと思ったら、本書を読むと今の法廷には木槌はないようだった。

読んでいて、我が身に置き換えたのは次の箇所。

いよいよ裁判が始まり、弁護側の冒頭陳述をしようと立ち上がろうとしたハラー。
「今度はわたしの番だった。わたしは片手をテーブルの下に降ろし、ズボンのジッパーを確認した。チャックをあけっぱなしにして陪審のまえに立ってしまえば、二度と信用してもらえなくなる」