善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

きのうのワイン+「バベットの晩餐会」

チリの赤ワイン「アンデラ・カベルネ・ソーヴィニヨン(ANDERRA CABERNET SAUVIGNON)2013」
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シャトー・ムートンを所有するロスチャイルド社が手がけるワイン。カベルネ・ソーヴィニヨン100%。
途中から映画に見入ってしまい、味の記憶はあまりなし。

ワインの友で観たのは先日NHKBSでやってた「バベットの晩餐会」。
1987年のデンマーク映画
はじめ、どうせたいしたことない文芸作品だろうと見ていたが、途中の晩餐会を準備するあたりから画面に釘付けとなる。温かい色調の画面が美しい。

19世紀後半のデンマークの小さな漁村が舞台。厳格な牧師の父を持った美しい姉妹は、若いときに好きな男がいたが、父に従って独身を通し、年老いていく。そこへフランス革命から逃れたバペットという女性が駆け込んできて、家政婦として働くことになる。
月日は流れて、バベットは宝くじで1万フランという大金を手にする。ちょうどそのころ、姉妹は亡くなった父の生誕100年を記念する晩餐会を計画するが、バベットは料理を作るのを私に任せてほしいと申し出る。

運び込まれたのは生きたウズラやウミガメなど。ほかにも高そうなワイン。敬虔なキリスト教徒で、ごくごく質素でおいしくもない食事が当たり前と思ってきた姉妹は眉をひそめ、村人たちとも話し合って晩餐会では食事の味を楽しむなんてことにはしなくて、さっさと終えてしまうことにするが、飛び切りおいしいワインと料理に舌鼓を打ち、みんな大満足となってしまう。
そこには姉のかつての恋人もあらわれて、懐かしい昔を思い出すのだった。

晩餐会が終わって、バベットは、実は自分はかつてはパリの有名レストランのシェフで、宝くじで得た1万フランすべてを使って料理を作ったことを明かす。

「自分たちのためにそんな大金を使ってしまうなんて」と姉妹が言うと、バベットは言う。「貧しい芸術家はいません」。そして、かつて妹を愛した声楽家の言葉を伝える。
「芸術家の心の叫びが聞こえる、私に最高の仕事をさせてくれ」

見ていて、なぜか途中から急に涙腺が緩んできてしょうがなかった。
そんな映画だった。