善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

ワタリウム美術館 歴史の天使

日曜日朝の善福寺公園は前日に続いて秋晴れ。すごしやすい。
下池のスイレンは花はもうほとんどない。それでもつぼみがいくつか。

きのうは外苑前のワタリウム美術館で「歴史の天使」と題する写真展をみる。
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会場に置いてあったチラシにはこう書かれてある。

美術、写真、建築をはじめ幅広いジャンルに独自の批評を展開した思想家、多木浩二氏(1928年神戸生まれ)が2011年4月13日に死去された。この展覧会は多木浩二氏が ワタリウム美術館のために書き下ろした写真論『歴史の天使』をもとに、2012年版として再構成し、12人の作家の作品とともに展示した。

出展アーティストは次の通り。

ダイアン・アーバスアウグスト・ザンダー、ルネ・マグリットマン・レイ、ロバート・メイプルソープ、デュアン・マイケルズ、ジョエル=ピーター・ウィトキン、クリスチャン・ボルタンスキー、チン↑ポム、アレン・ギンズバーグロバート・フランク鈴木理策

多木氏の言葉が掲げられている。

「歴史」にも乱丁、落丁がある。出来損ないの書物の中の奇妙な迷路。そんな不思議なエアポケットが写真の場である。歴史学者が見落とした隙間、瞬間をまた細分した瞬間、空虚をまた空っぽにした空虚。
それがほんとうにはまだ見ぬ歴史がはじまる場所である。

写真の視線が達するのは「歴史」のなかには登場することのない歴史である。別に隠れているわけではないが、理性の目には止まらないのである。

作品では、鈴木理策の写真が気に入った。 特に雪の写真。雪の結晶を延々と映した動画もあった。ピントが合ったり、ぼけていたり、ご本人が雪の上を歩く音なんかも聞こえてきておもしろかった。

地下のショップで興味がひかれた本があった。
『夢みる美術館計画』『自転車部品の美学』