善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

東京国立博物館 新春特別公開

東京国立博物館がリニューアルして1月2日からオープン。リニュアール記念の特別公開が一般料金の600円で見られるというので出かけていく。

出かけるまで箱根駅伝をテレビ観戦。いきなり早稲田が独走し始め、あれあれどうなるのかな、と思いながら家を出る。電車の中で、隣でワンセグを見ている人がいて聞くと、やっぱり独走中という。

いつもは上野駅から歩くが、きょうは近いからというので鴬谷駅から。なんだか裏道から行く感じで、やっぱり正々堂々、本館の建物を正面に見ながら近づいて行くのがいいね。、
イメージ 1

和太鼓や獅子舞などの新春イベントもあって、いかにも正月らしい。
イメージ 2

展示室に入ると仏像が待ち受けていて、思わず手を合わせる。
今回特別公開された主な作品は、国宝「秋冬山水図」(雪舟室町時代・15世紀末~16世紀初)国宝「古今和歌集(元永本)」(平安時代・12世紀)、重要文化財「熊野懷紙」(飛鳥井雅経平安時代正治2年(1200))、国宝「檜図屏風」狩野永徳 安土桃山時代・16世紀)、重要文化財風神雷神図屏風」(尾形光琳、江戸時代・18世紀)、「冨嶽三十六景」(葛飾北斎、江戸時代・19世紀)などと力作揃い。
東博では、特に断りのあるもの以外は写真撮影が自由なのでうれしい。(ただし、中にフラッシュたいている人がいたが、あれはいけませんよ。ちゃんと「禁止」と書いてある)

国宝 檜図屏風 狩野永徳筆 安土桃山時代・16世紀
イメージ 3

私が所属する地域のミニFM放送局、ラジオぱちぱちの松羽目ものの舞台背景に似ている(って知ってる人しか知らない)。それもそのはず、この屏風を真似して描いたんだから。
ホンモノを初めて見た。スゴイ迫力。天正18年(1590)に落成した八条宮(後の桂宮家)邸を飾った襖絵であったとされ、狩野永徳(1543~1590)の最晩年作だとか。
「金箔地の大地と雲を背にした檜の大樹は、幹をうねらせ、大枝を振りかざし、枝先はまるで爪を立てるかのよう。この豪放な形態と濃密な色彩は、檜の力強い生命力となって、当時の美意識を余すところなく体現している」と解説にあり。

重要文化財 風神雷神図屏風 尾形光琳筆 江戸時代・18世紀
イメージ 4

天空を疾走する風神と、雷鳴を轟(とどろ)かせる雷神。こちらは雷神のほう。教科書なんかでよく見るが、ホンモノを見たのは初めて。どことなく漫画チックでひょうきんな感じもする。

ほかにも、葛飾北斎の冨嶽三十六景で北斎はシリーズ46枚に富士山の表情をさまざまに描き分けたが、今回はそのうちの約半分22枚を見ることができる。特に初期のころの「青」の色が鮮烈。

北斎は「プルシャン・ブルー」という顔料を用いて青を表現したという。「プルシャン・ブルー」とは「プロシアの青」という意味で、別名「ベルリン・ブルー」と呼ばれ、日本語にすると「ベロ藍」と呼ばれたという。北斎はこれに日本の藍を加えて「ジャパン・ブルー」をつくり出し、世界の絵画にも大きな影響を与えたんだとか。

もう1つ気に入ったのが伊藤若冲の鶏の絵。なんと滑稽なこと!
親しみを覚えました。
イメージ 5

ほかにも今年の干支であるウサギ を題材にした作品を集めたコーナーなど、見どころいっぱい。特別公開は16日まで。

で、帰宅したら、なんと東洋大の“山の神”が大逆転で往路優勝だという。これだから勝負ごとはわからない。