善福寺公園めぐり

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「日本語のおけいこ」全曲を聴く

日曜日は午後、詩人谷川俊太郎の息子である作曲家・ピアニストの谷川賢作声楽家の辻康介、それにパーカッションの上原なな江、ゲスト出演のサックス奏者・鈴木広志による「日本語のおけいこ」全曲オリジナルアレンジ演奏を聴きに行く。
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「日本語のおけいこ」は1965年に発刊された歌曲集。詩はすべて谷川俊太郎で、27の詩に寺島尚彦、服部公一、小林秀雄、林光、いずみ・たく、芥川也寸志、磯部俶、真鍋理一郎湯浅譲二というそうそうたる作曲家たちが曲をつけている。

場所は渋谷駅そばの東京山手教会地下にある公園通りクラシックス。昔、ジァン・ジァンがあった場所で、ここに来るのは何十年ぶりだ。

午後3時半から始まって、終わったのは5時半すぎ。
ジャズ風、ロック、チャンチキ?風のアレンジがすばらしく、それに谷川氏のトークも楽しくて、あっという間に時間はすぎていった。

どの曲も心に残った。

題名だけでもおもしろいので書き残しておこう(カッコ内は作曲者)。

日本語のおけいこ(寺島尚彦)
月火水木金土日のうた(服部公一)
一二三……(小林秀雄
ぎらぎらとひょろひょろとちかちか(服部公一)
かもしれないのうた(寺島尚彦)
うそだうそだうそなんだ(寺島尚彦)
ひとくいどじんのサムサム(林光)
ひみつ(寺島尚彦)
まね(林光)
へのへのもへじ(いずみ・たく)
何故だかしらない(芥川也寸志
ラムとカム(磯部俶)
黒いこいぬ(寺島尚彦)
とんびのピーヒョロロ(寺島尚彦)
それからどうした(磯部俶)
いつも誰かが(真鍋理一郎
こもりうた(林光)
かわいそうなオバケたち(服部公一)
チビのハクボク(湯浅譲二
もしぼくが(服部公一)
けんかならこい(服部公一)
宇宙船ペペペペランと弱虫ロン(湯浅譲二
二冊の本(湯浅譲二
冬の思い出(湯浅譲二
いない?(磯部俶)
川(湯浅譲二
おうさまはしんだ(林光 )

詩として印象的だったのが「川」
それは次のような内容だった。

母さん
川はどうして笑っているの
太陽が川をくすぐるからよ

母さん
川はどうして歌っているの
ひばりが川の声をほめたから

母さん
川はどうして冷たいの
いつか雪に愛された思いでに

母さん
川はいくつになったの
いつまでも若い春と同い年

母さん
川はどうして休まないの
それはね海の母さんが
川の帰りを待っているのよ

谷川俊太郎の「うたのほん 日本語のおけいこ」(理論社刊)は復刻版が1995年に出たが今は絶版になっているという。長新太の絵もおもしろい。
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コンサートではアンコール曲の演奏は写真撮影オーケー、「大いに広めて」と谷川氏がいうのでパチリ。
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こんな楽しいコンサート、またやってほしい。