善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

ジェフリー・ディーヴァー 追撃の森

金曜日朝の善福寺公園は曇り。きのうとは一転、涼しい。
上池の上空を飛ぶツバメが低く飛んでいる。
「ツバメが低く飛ぶと雨が降る」ということわざがあるが、きょうは午後から雨の予想。

朝のラジオ体操はきょうから「夏期巡回ラジオ体操」が始まり、石川県七尾市からの中継放送。ということはきょうは終業式か。

『ボーン・ コレクター』『ウォッチメイカー』の著者、ジェフリー・ディーヴァーの『追撃の森』(文春文庫)を読む。

通報で森の別荘を訪れた女性保安官補ブリンを殺し屋の銃撃が襲った。現場で出会った女を連れ、ブリンは深い森を走る。時は深夜。無線なし。援軍も望めない。2人の女vs2人の殺し屋。暁の死線に向け、知力を駆使した戦いが始まる。襲撃、反撃、逆転、再逆転。天才作家が腕によりをかけて描く超緊迫サスペンス──と宣伝文句にある。

登場するのは『ボーン・コレクター』のリンカーン・ライムのような天才科学捜査官ではなく、ごく普通の警官。悩みも持っていて、亭主や息子との間に問題も抱えている。そんな中で犯罪とどう立ち向かい、どうやって解決へと向かっていくのか。事件解決とともに、警官夫婦はどうなってしまうのかという家族の問題にも興味がそそられる。ミステリーやアクションものというより、心理劇としておもしろく読めた。

真夜中の森の中で、犯人側と味方との追いつ追われつが克明に描かれる。ナント全563ページの本書のうち8割以上を占める第1部はたった1日の出来事を描いていて、12時間かそこらの森の中での知力とアクションのチェイスに約400ページもが割かれている。

真っ暗闇の中、手製のコンパスをつくる話が出てくる。
州警察発行のサバイバル・マニュアルに載っているそうなのだが、発想はいたってシンプル。針やピンをハンマーでたたいて磁気を帯びさせる。それを浮きに載せて水の入った皿に浮かべる。すると針は自然と南北を指す。
ブリンはバッジからピンを石でたたいて2インチの針を切り離し、ハンマーの代わりにやはり石でたたいて磁気を帯びさせ、小枝に糸で結んで瓶の中に満たした水の上に浮かべると、針はしっかりと南北を指した。

ホントかな? とつくってみた。
針をちょんぎって短くし、ハンマーで叩いて磁気を帯びさせ、紙の小片の上に載せて水に浮かべると、たしかに何度やってもしっかりと南北を指す。
イザとなったら使えそうだが、ハテいったいどんなときか?