善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

シニフィアン・シニフィエのチャバタ

何日か前、ツレアイが川崎までで出かけた折に何かのイベントがあり、そこで売られていたのを試食したらおいしかったとパンを買ってきた。
シニフィアンシニフィエ」というベーカリーでつくっている「チャパタ」というパンである。
食べたらおいしい! ひょっとして、いままで食べたパンの中で一番おいしいパンじゃないかな、と思ったほどだった。

調べてみたらシニフィアンシニフィエというベーカリーは世田谷の下馬にあり、相当有名な店らしい。もう一度食べたくなって、散歩のついでに寄ってみようかという話になった。

ところがさらに調べるとシニフィアンシニフィエは支店をいくつか持っていて、日本橋にも支店があることがわかった。それでツレアイが日本橋まで出かけていき、そこのパンをどっさり買ってきた。食べたらどれもおいしかったが、やはり一番おいしかったのがチャバタだった。(値段も一番安くて1個150円)
写真左奥にあるのがチャバタ。
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皮はカリッとしているが、中はモチッとしていて、その食感がたまらない。味もすばらしくて、塩味と甘味がほどよく、何もつけずにそのまま食べておいしい。

店でもらった説明書きによると、名前は『スリッパ』という意味だそうで、平べったい形がスリッパに似ているのだろうが、本場のイタリアでは食事パンとして何か具を挟んでサンドイッチにして食べるのが一般的らしい。

それにしても、あの忘れられない食感はどこから出てくるのだろうか?
あのしっとり、もっちりはパンに含まれる水分がほどよく溶け込んでいるからか。かみしめると広がるうまみは、小麦と水と塩と天然酵母とのコラボレーションの極致なのだろうか。
とにかくカンドー的なおいしさである。

シニフィアンシニフィエのパンをつくっているのは、志賀勝栄さんという人だ。

この店のチャバタの原料は、「キタノカオリ」という北海道産の小麦粉だという。
志賀さんがこの粉でいろいろ試作を重ねたところ、普通にカリッと焼き上げるより、半生にしたほうがおいしさが引き出せるのではないかという結論に達し、わざと焼きを甘くしてつくったのだという。

そのほかにもこの店独特の長時間発酵の製法や、気泡のつくり方とか、加水の量などにも秘密があるらしいが、なるほど、この店のチャバタはただものではなさそうだ。

ほかにも「キャトルヴァン」とかいうパンも食べてみたいが、それは冷凍したのでまた今度のお楽しみ。