善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

若き杜氏が醸す「華鳩」

木曜日朝の善福寺公園は曇り。やがて晴れてきて、日差しがまぶしい。
いつもたくさんいるムクドリの姿なし。かわってカラスが目につく。
サルスベリの赤い花が梢の高いところで咲き出している。

いつも日本酒を配送してもらっている神田の酒店で、「今年はこれがうまい」と勧められたのが広島「華鳩」の新しい特別純米酒。「杜氏自ら育てた米で醸した特別純米酒」と命名され、栽培量も少なくて少数仕込みの限定販売だとか。「華鳩」はたまに飲んではいるが、このところご無沙汰だ。
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さっそくわが家で飲んでみる。はじめはこってりして、クセのある味わい。ところが、飲み進むうち、さわやかな味に変わっていく。さわやかで、しかもふくらみも感じる。同じ酒なのに、変化する酒の味の不思議。酒自体は変わらなくても、飲んでいる人間の味覚の変化というべきか。でも、そう思わせる微生物の働きの何か、成分の何かが、酒の中に潜んでいるのだろう。

華鳩は広島県呉市音戸町でつくられる酒。その音戸で、杜氏自らが丹精込めて育てた酒米(吟のさと)で醸した酒という。

華鳩のホームページをのぞくと、4代目の榎俊宏社長も若ければ、杜氏の藤田忠杜氏も38歳と若く、蔵人も若くて平均年齢が30代。藤田杜氏のもと、社長も入れて蔵人3人とともに酒づくりを行っているという。

藤田杜氏は宮崎県出身の広島杜氏。研究熱心で、温暖な地にある華鳩で冷蔵庫を使って生酛(きもと)をつくるなど、技術研究やデータ分析を重ね、華鳩の酒を世に送り続けているのだとか。

呉といえば昔から軍港として知られるが、音戸は漁業が盛んで港町として栄えたところ。たしか渡し船もあり、音戸の渡し船は“日本一短い航路”として有名(ということは江戸川の矢切の渡しより短いのか)。

いちど酒蔵を訪ねてみたいと思った。