善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

石垣りん 「童謡」

日曜日の善福寺公園は快晴。風が強い。
弁天島あたりのイチョウの木の下はギンナンだらけ。拾っている人が何人か。来年から、風が強かった日はビニール袋を持ってくるようにしよう。

シラサギが一瞬、口を開けた。何をつぶやいたのか。
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路傍の小菊。
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何だかきょうは詩人の気分。
きのうは地域のミニFM放送局ラジオぱちぱちの月1回の公開放送の日(毎月第2土曜日午前10時から2時間、於・善福寺北児童館2階)で、「マグーの詩の時間」のコーナーで、マグーさんが読んでくれた石垣りんの詩が頭から離れない。こんな詩だった。

童謡

お父さんが死んだら
顔に白い布をかけた。

出来あがった食事の支度に
白いふきんがかけられるように。

みんなが泣くから
はあん、お父さんの味はまずいんだな
涙がこぼれるほどたまらないのだな
と、わかった。

いまにお母さんも死んだら
白い布をかけてやろう
それは僕たちが食べなければならない
三度のごはんみたいなものだ。

そこで僕が死ぬ日には
僕はもっと上手に死ぬんだ
白い布の下の
上等な料理のように、さ。

魚や 鶏や 獣は
あんなにおいしいおいしい死にかたをする。

1年に1度は声に出して読み、その意味を考えたい詩、とはこの詩をいうのだろう。

石垣りん(1920-2004)
1934年(昭和9)日本興業銀行に入社、75年まで勤務。社会と生活をみすえた詩風で注目される。69年「表札など」でH氏賞、71年「石垣りん詩集」で田村俊子賞。79年「略歴」で地球賞。84歳で死去。東京出身。