善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

早口言葉

今年も10月下旬、地元の区立児童館(杉並区立善福寺北児童館)で「子どもフェスティバル」が開かれる。
子どもたちがいろんなお店を出して楽しむもので、メンバーになっているミニFM放送「ラジオぱちぱち」はこの児童館を放送会場にしている関係もあって、毎年参加している。

何年か前には部屋を1部屋借り切って「見世物小屋」をやったが、それはそれは大好評で、2年続いた。その後は児童館前の野外に場所を移して、子どもたちに三度笠をかぶらせて股旅モノの有名なセリフをいってもらう「てなもん屋88『なりきり三度笠』~時代劇のセリフに挑戦しよう!~」とか、いろんな動物の声にチャレンジする「なりきりアニマル商店」、早口言葉のタイムレース「早口言葉商店」、ドラマやアニメの主人公になりきって決めゼリフをいう「なりきり三度笠」などと続いてきたが、今年企画中なのが、好評につき?「早口言葉商店」リターンズ。

以前やったのはこんな早口言葉。

[初級](小学1~2年生向け)
なまむぎ、なまごめ、なまたまご。
となりのきゃくは、よくかきくうきゃくだ。
あおまきがみ、あかまきがみ、きまきがみ。
スモモも、ももも、もものうち。
ピーター・ファンデンホーヘンバンド
(あのころ水泳の選手にこんな名前の人がいた)

[初級](3年生以上)
生麦、生米、生卵。となりの客はよく柿食う客だ。
青巻紙、赤巻紙、黄巻紙。スモモも桃も桃のうち。
ピーター・ファンデンホーヘンバンド
マグマ大使の孫、孫マグマ大使。魔術師今手術中。
うり売りがうり売りに来て、うり売り残し、売り売り帰るうり売りの声。

[中級]
「カエルピョコピョコ3ピョコピョコ合わせてピョコピョコ6ピョコピョコ」と書かれた赤パジャマ青パジャマ黄パジャマ茶パジャマを持っている東京特許許可局局長の客はよく柿食う客で生麦生米生卵も好きだったが、新春シャンソンショーを見に行こうとバス待つうちバスガス爆発で吹っ飛んで、裏庭には二羽庭には二羽鶏を飼っている坊主が丈夫な屏風に上手に丈夫な坊主の絵を描くと、カッター買った肩硬かったので高かった肩たたき機買った。

今年はさらにスゴイ早口言葉を見つけた。

「Peggy Babcock(ペギー・バブコック)」
これを早口で5回続けていう、というものだが、1回だっていいずらい。ひょっとして“最強の早口言葉”かもしれない。

ほかにも、歌舞伎で有名な早口言葉、ういろう売りの口上。団十郎の十八番の1つで、歌舞伎座さよなら公演にもかかっていた。
前回は前段部分をやったが、今回は後半部分をと考えている。

「煮ても焼いても喰われぬものは、五徳(ごとく)、鉄(てっ)きゅう、かな熊(ぐま)どうじに、石熊(いしぐま)、石持(いしもち)、虎熊(とらぐま)、虎きす、なかにも、東寺(とうじ)の羅生門(らしょうもん)には茨木童子(いばらぎどうじ)がうで栗(ぐり)五号(ごんごう)つかんでおむしゃる、かの頼光(らいこう)のひざ元(もと)去(さ)らず、鮒(ふな)、きんかん、椎茸(しいたけ)、定(さだ)めてごたんな、そば切り、そうめん、うどんか、愚鈍(ぐどんな)な小新発知(こしんぼち)、小棚(こだな)の、小下(こした)の、小桶(こおけ)に、こ味噌(みそ)が、こ有(あ)るぞ、 こ杓子(しゃくし)、こもって、こすくって、こよこせ、おっと、がってんだ、心得(こころえ)たんぼの、川崎、神奈川、保土ヶ谷(ほどがや)、戸塚を、走って行けば、やいとをすりむく、三里(さんり)ばかりか、藤沢、平塚、大磯(おおいそ)がしや、小磯(こいそ)の宿(しゅく)を七つおきして、早天(そうてん)そうそう、相州(そうしゅう)小田原とうちんこう、隠(かく)れござらぬ貴賤(きせん)群衆(ぐんじゅ)の、花のお江戸の花ういろう、あれあの花を見て、お心を、おやわらぎやという、産子(うぶこ)、這(は)う子に至るまで、このういろうのご評判、ご存知ないとは申されまいまいつぶり、角(つの)だせ、棒だせ、 ぼうぼうまゆに、うす、杵(きね)、すりばちばちばちぐゎらぐゎらぐゎらと、羽目(はめ)をはずして今日(こんにち)お出(い)での何茂様(いずれもさま)に、上(あ)げねばならぬ、売らねばならぬと、息(いき)せい引(ひ)っぱり、東方(とうほう)世界の薬の元締(もとじめ)、薬師如来(やくしにょらい)も照覧(しょうらん)あれと、ホホ敬(うやま)って、ういろうは、いらっしゃりませぬか」

ちょっと小学生にはどうか?と思うような早口言葉もある。

「天の川のお宮の前の飴屋に、按摩と尼が雨宿り、雨やむまで按摩ももうと按摩が申す、按摩尼も揉み、尼按摩揉む、按摩うまいか尼うまいか、按摩も尼も皆(みな)うまい、按摩もお揉みやれ、尼もお揉みやれ、雨宿り」

落語にも早口言葉でまくしたてるのがあって、「金明竹」という噺。関西弁でやるのがミソで、以下は先代三遊亭金馬の台本より。

「わて、中橋(なかばし)の加賀屋佐吉方から参じましたん。先度(せんど)、仲買いの弥市(やいち)が取り次ぎました道具七品のうち、祐乗(ゆうじょう)光乗(こうじょう)宗乗(そうじょう)三作の三所物(みところもん)。ならびに備前長船(びぜんおさふね)の則光(のりみつ)、四分一(しぶいち)ごしらえ横谷宗みん(よこやそうみん)小柄(こづか)付きの脇差、あの柄前(つかまえ)は旦那はんが古たがやと言やはってやったが、埋れ木(うもれぎ)やそうで、木ィが違(ちご)うとォりますさかいにナ、念のため、ちょっとお断り申します。次はのんこの茶碗、黄檗金明竹(おうばくさんきんめいちく)ずんどの花活(はないけ)、古池や蛙とびこむ水の音。あれは風羅坊正筆(ふうらぼうしょうひつ)の掛け物で、沢庵木庵隠元禅師(たくあん・もくあん・いんげんぜんじ)張りまぜの小屏風(こびょうぶ)、あの屏風はなァもし、わての旦那の檀那寺が兵庫におまして、この兵庫の坊主の好みます屏風じゃによって兵庫へやり、兵庫の坊主の屏風にいたしますとナ、かようにお伝言(ことづけ)願います」

はてさて今年はどうなることやら。