善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

甘味考

けさの善福寺公園は晴れ。きのうよりは秋。しかし日が差し始めると夏の気配。
上池の杭と杭をつなぐロープの上にカワセミが1羽。
気にいっているのか、最近はいつもこの場所だ。

久しぶりにJR西荻窪駅北口から歩いて5分、「喜田屋」の豆大福を食す。餅が見えないほど豆だらけで、中は粒あん。甘すぎないところがいい。1個120円。

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いつもおやつというともっぱらセンベイ系で、甘いものはあまり食べないが、ときとして無性に食べたくなるときがある。
「夜食を食べるなら和菓子にしなさい」といったのは“やせたいならごはんを食べなさい”の鈴木その子さん(68歳で亡くなる。まだやりたいことがあったろうに)だったが、脳の唯一のエネルギー源はブドウ糖であり、ブドウ糖摂取に有効なのは砂糖でつくられた甘いものである。
もちろん、ごはんなどの炭水化物にもブドウ糖が多く含まれるから、ごはんを食べるのも脳にとってはプラスだが、ごはんの場合、デンプン(多糖類)から時間をかけてブドウ糖に分解されるのに対して、砂糖は吸収が速く、速効性のエネルギー源といえる。

しかし、即効性をいうなら砂糖よりハチミツだ。砂糖はブドウ糖と果糖が結合したものなので体内に入ってから分解される時間が必要だが、ハチミツはすでに分解済みなので、体内に入るとただちに吸収されて血中に移行する。だから、失われたエネルギーをすばやく回復させる最も即効性のあるエネルギー源はハチミツである。

十字架にかけられたキリストがよみがえったとき、最初に食べたものは「焼いた魚とハチミツ」だった(ルカ伝)。ゴータマ・ブッダ(釈迦)がゴータマ・シッダールタという名前だったとき、苦行を積んでそれでも悟りを開けず、過度の栄養不足から衰弱した姿を見かねた村娘のスジャータが差し出したのは、牛の乳とハチミツを混ぜたおかゆ(乳がゆ)だった。それを食べて元気になったゴータマは、近くの菩提樹の下に座し、悟りを開くことができた。

喜田屋の豆大福もおいしいが、もっと好きなのが荻窪駅北口、教会通りを歩いて5分ほどの「榛名屋」のあんころ餅。昔、その近所に住んでいたころ、仕事の帰りなどに買って帰ったものだ。
ヨモギ入りのお餅を粒あんでくるであり、1個100円(サービスデーのときは80円)。原材料は小豆・砂糖・餅米・ヨモギ・塩。それだけ。日持ちしないのでその日のうちに食べないといけないが、甘すぎず、しかしほどよい甘みが心を落ち着かせる。

甘いものでいえば、名古屋に出張に行ったときにお土産に買うのが、JR名古屋駅地下の高島屋で売っている「虎屋ういろ」のういろう。
「虎屋ういろ」は三重県伊勢市に本店があるういろうの専門店。
ういろうというと名古屋名物の「青柳ういろう」とか、あのネチャネチャする食感が好きではなかったが、そのイメージを一新させたのが「虎屋ういろ」のういろう。

普通は原材料に米粉を使う(米粉に砂糖を練り合わせ、蒸してつくる)が、「虎屋ういろ」のういろうは米粉ではなく小麦粉を使っているという。
それであのすっきりとした歯ごたえと味になるのだろうか。
種類はいろいろあるが、一番好きなのはシンプルな「小倉ういろ」。北海道の小豆でつくられた粒あんのういろう。1本483円。こちらも日持ちしないのでたくさん買えないのがさみしい。

喜田屋 (きたや)
杉並区西荻北3-31-15
電話03-3390-8903
月曜日休み

榛名屋
杉並区天沼3-6-22
電話03-3398-5347
日曜日休み