善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

何をくよくよ川端柳

朝の善福寺公園は晴れ。風なし。暑い。それもそのはず6時の時点ですでに気温29度。
相変わらずウがたくさんいる。

シダレヤナギの葉が見事に垂れている。夜になると幽霊が出そう、というより、ヤナギ自体がどことなく幽霊っぽい。

もともとシダレヤナギは中国原産で、奈良時代に日本にもたらされたといわれる。
昔からヤナギには神聖な力が秘められているとされ、太田道灌江戸城をつくったとき、鬼門に当たる場所に魔よけとしてヤナギの木を植えたとか。

ヤナギは陽木で、日の当たるところを好む。このため都市の街路樹などに盛んに植えられ、水辺などは格好の場所というので川沿いや井戸端などにも植えられた。それで川端や井戸に出る幽霊にはヤナギ、それもシダレヤナギがつきものになったのだろうか。
夜風に揺れるシダレヤナギの枝のユラユラが幽霊と相性ピッタリ、ということもあるだろう。

ヤナギは風流の木でもある。都々逸に、
なにをくよくよく川端柳 水の流れをみてくらす (作者不詳)

ついでにいうと、紀元前の時代からヤナギの樹皮の抽出エキスは鎮痛・解熱のために用いられており、その成分であるところのサリチル酸を原料としてアスピリンが開発されたとか。日本でも、昔は爪楊枝にヤナギを使うものが多かった。
そもそも「楊枝」という言葉も楊柳(ヤナギ)から来ているといわれている。虫歯の痛みを止めるためにヤナギの枝を噛んだのが爪楊枝の始まりという説もあるくらいで、ヤナギの薬効は昔から知られていたようだ。

イメージ 1