善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

カイツブリの夏羽、冬羽

木曜日朝の善福寺公園は晴れ。
朝から気温が高く、日陰は涼しくてちょうどいい感じだが、日なたは暑い。
いっときセミが鳴いていた。

いつもは単独行動している善福寺池カイツブリだが、けさは3羽が仲よく泳いでいた。
しかし、前方のは側頭部が赤いが、うしろのは淡い色だ。
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カイツブリは夏と冬とで羽が生えかわる。夏羽は頭の上の方が黒褐色で、側頭部が赤褐色の羽毛で覆われる。一方、冬羽は夏羽に比べ淡色になり、頭の上の方は褐色、側面は赤いのが消えて淡い色合いになる。

ただし、夏羽、冬羽というのは季節とは関係なく繁殖期に生えるのを夏羽、 非繁殖期の羽を冬羽というんだそうで、カイツブリの繁殖期は2月から10月ぐらいなので頭が赤いのは繁殖期の夏羽ということになる。
ちょうど繁殖期から非繁殖期の移行期。それで夏羽と冬羽の個体が同時に見られるのだろう。

気温が高く日差しも強いためか、チョウがたくさん舞っていた。
タテハチョウの仲間、ヒメアカタテハ(姫赤立翅)が羽をいっぱいに広げて、まるで日向ぼっこしているみたいだった。
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きわめて似ているのにアカタテハがいるが、特徴的な三角斑があるのでヒメアカタテハだろう。
羽を立てて止まるのでタテハチョウ。その中でも赤色っぽく、アカタテハに比べてやや小さくて可愛らしいので「姫」がついた。

春から晩秋にかけて日本各地で普通に見られるチョウだという。
でも今シーズン初めて見るチョウだ。
実はヒメアカタテハは驚くべき渡りの能力を持つチョウだそうだ。
ヨーロッパでの観察によると、ヒメアカタテハはひたすら飛び続ける力があり、夏が終わるころに何百万羽という群れをつくって南に渡っていることが報告されている。
渡りのルートは北は北極地方にほど近い場所から南は熱帯の西アフリカまでの1万5,000㎞にも及ぶんだとか。
けさ見たヒメアカタテハもどこか北の遠くの方から飛んできたのだろうか?
そう思うといとおしくなる。