善福寺公園めぐり

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修復なった「東方三博士の礼拝」 北イタリアの旅⑬

フィレンツェのウフイッツイ美術館でレオナルド・ダ・ヴィンチの作品を探す。
ところが、ガイドブックに載っている部屋に彼の作品がない。
ハテ、どうしたんだろうと思っていると、実は2017年3月28日~9月24日までの日程でレオナルドの特別展が開催中で、彼の作品はそちらに集められていたのである。

特別展の入口。
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実はレオナルド作の「東方三博士の礼拝」は未完のままの作品で、痛みも相当あったため修復作業が行われていた。それが、約5年半の修復を経て戻ってきて、同作品が特別展示されることになった。あわせてレオナルドの他の2作品「受胎告知」「イエスの洗礼」もより広い別の部屋で展示されることになったらしい。

修復された「東方三博士の礼拝」。これがすばらしい。
作品に見入る人々。
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1481年から1482年ごろ、フィレンツェ郊外にあるサン・ドナート・ア・スコペート修道院の祭壇の中央に飾る絵として描かれたレオナルド未完の傑作の1つ。
モチーフは「新約聖書」に出てくるエピソードで、星の輝きに導かれて東方から来た3人の博士がイエスの誕生を祝って贈り物を捧げるという場面。モチーフ自体は有名で、いろんな画家が同じ題の絵を描いている。
本作品が未完に終わってしまったのは途中でレオナルドがミラノへ転居してしまったためで、その後、フィレンツェに君臨したメディチ家のコレクションとなったという。長い間煤で覆い隠されていたのが修復によってその美の全貌が次第に明らかとなり、赤外線を通さなければ見えなかった部分まで肉眼で見えるようになったという。




聖母マリアを中心に三博士などがひれ伏すような形で配置されており、リアルで、立体感のある作品となっている。
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レオナルドの作品ととても構図が似ているフィリッピーノ・リッピ(フィリッポ・リッピの息子で、ボッティチェッリの弟子)の「東方三博士の礼拝」(1496年)も展示されていた。
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修復前のレオナルドの「東方三博士の礼拝」。かなりくすんでいる。
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レオナルドの他の作品。
「受胎告知」(1475から1480年)
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聖母のアップ。
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巧みに遠近法を取り入れているのが彼の作品の特徴。
遠くに港や屹立した山々が見える。
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ここでも人だかりがしていた。
日本と違って、どんな名作でも写真撮影オーケーだし、顔をくっつけるようにして観賞できるのが外国の美術館のよさだ。
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夜はおとといいって気に入った宿の向かいのレストランで食事。
明日は、少し南に下ってアッシジをめざす。
(つづく)