善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

きのうのワイン+「ワイルド・アパッチ」

フランス・ローヌの赤ワイン「ル・ピジュレ(LE PIGEOULET)2015」
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フランス南部のローヌ地方でつくられるワイン。
平均樹齢30年のグルナッシュ、シラー、カリニャン、サンソーをブレンド
落ち着いた味わい。

ワインの友で観たのは昼間NHKBSで放送していたアメリカ映画「ワイルド・アパッチ」。
1972年の作品。
監督ロバート・アルドリッチ、出演バート・ランカスター、ブルース・デイビソン、ホルヘ・ルーク、リチャード・ジャッケルほか。

バート・ランカスターが出るというだけで、あまり期待しないで見たが、なかなかおもしろかった。 
原題は「Ulzana's Raid」。「ウルザナの襲撃」といった意味か。

西部開拓時代末期のアリゾナ。先住民保留地を脱走したアパッチ族のウルザナは、仲間とともに白人に対する復讐を始める。
騎兵隊の士官学校上がりの新米少尉は、アパッチ族に詳しい斥候のマッキントッシュバート・ランカスター)を補佐に討伐へ向かう。
マッキントッシュの予想どおりウルザナは先々で殺戮を繰り返していた…。

単にインディアン(先住民)を野蛮な悪役として描く従来型の西部劇とは一線を画す作品。彼らを被抑圧者としてとらえ、どっちが正しいの悪いのではなく、出来事を正面からリアルなタッチで描いている。
実際に起こった事件をもとにつくられた作品という。

「ウルザナはなぜ殺戮を繰り返すのか?」という疑問に、通訳として雇われた同じ先住民出身のケ・ニ・タイは答える。

「ウルザナたちは保留地に閉じ込められたおかげで生きるための力が衰えたと思っている。人を殺すことで再び力をよみがえらせようとしているのだ」

戦いの最後に、ウルザナを殺したのは騎兵隊ではなくケ・ニ・タイだった。
そして若き少尉は、ウルザナの首を持ち帰るべきだという部下の意見を聞き入れず、埋葬を命じる。

とにかくバート・ランカスターが渋い。
負傷して自分の命が尽きることを知った彼は、一人残って、紙巻きたばこを吸おうとするところで物語は終わる。

若いころ、西部劇で見た紙巻きたばこの紙を巻くのを真似したくて、辞書の紙で巻いて吸ったらちっともうまくなかったことを思い出した。