善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

スティヴ・キャヴァナー「弁護士の血」

スティヴ・キャヴァナー「弁護士の血」(訳・横山 啓明、ハヤカワ・ミステリ文庫)。
去年出版された本だが一気に読んでしまった。

作者は北アイルランドベルファスト生まれ。皿洗い、用心棒、警備員、コールセンターのオペレーターなどの仕事を経て、弁護士事務所で働く。2015年発表の本作がデビュー作という。

いわゆるリーガル・ミステリー。24時間裁判に関わり、自らの魂をすり減らし、家庭をかえりみることができないニューヨークの弁護士エディー・フリンは、酒に溺れて妻から見放され、いま町をさまよい歩いていた。
そんな時、ロシアン・マフィアが彼を脅迫する。要求をのまなければお前の娘を殺害する。10歳の愛娘が拉致され、命の危険にさらされている。
マフィアのボスは自分に不利な証言者を法廷で殺害しろという難題を突きつけ、フリンの体には爆弾が装着される。
法廷で、証言者のそばに爆弾が装着された上着を置き、それを遠隔操作で爆発させて殺害する計画で、実行すればフリンは共犯のかどで一生を刑務所ですごす羽目に陥る。
娘と自分の命を救うにはマフィアのボスのいう通りにするしかない。
絶体絶命の危機。しかも時間は限られている。どうする--!?

そこで彼が選択した方法とは、意外にも、というよりナルホド!というものだった。

あとがきによると今年(2016年)のうちに第2作が出るというので楽しみにしているが、まだらしい。