ボルドー滞在2日目のシャトーめぐり。
1軒目のシャトー見学はメドック・ポイヤック地区の「シャトー・ポンテ・カネ」。
第5級格付。
メドック地区には61のシャトーがあり、1級~5級に格付されている。第1級のシャトーはマルゴー、ラトゥールなど5つあり、通称「5大シャトー」と呼ばれているが、実はこの格付は1855年に行われたもので、それ以降は例外を除いて改定されたことがないという。したがってその後の技術改善などで味も変わっており、かならずしも現在の品質を表しているものではないとの声も強い。
ガイドさんによれば、ポンテ・カネは「実力的には2級の評価」という。
第5級格付。
メドック地区には61のシャトーがあり、1級~5級に格付されている。第1級のシャトーはマルゴー、ラトゥールなど5つあり、通称「5大シャトー」と呼ばれているが、実はこの格付は1855年に行われたもので、それ以降は例外を除いて改定されたことがないという。したがってその後の技術改善などで味も変わっており、かならずしも現在の品質を表しているものではないとの声も強い。
ガイドさんによれば、ポンテ・カネは「実力的には2級の評価」という。
ポイヤックの中央、ムートンとダイルイヤックの南に位置し、シャトー名は18世紀初頭にシャトーを取得した地元政治家ジャン=フランソワ・ポンテに由来する。1865年からクルーズ家が所有していたが、今はテスロン家がオーナー。1975年、クルーズ家の娘がテスロン家に嫁ぐときに花嫁道具として贈られたんだとか。なかなか優雅な話。
ポンテ・カネのブドウ畑。
カートに乗って畑を案内してくれた。
驚くべきは、ここではビオデナミック(バイオダイナミック)農法という極めて伝統的な手法でブドウ栽培が行われている。
この農法はドイツのルドルフ・シュナイターという人が提唱した有機農法・自然農法の一種という。普通の有機農法をさらに進めて、生産システムそのものがひとつの生命体であるとの認識のもとでの循環型農法に特徴がある。
月の運行にもとづいた太陰暦の農業暦にしたがって種まきや収穫を行い、農薬として使うのは薬草で、ブドウ畑で育てたハーブを使用する。
土の酸度が高くなるのを中和するため、牛の角の中に牛フンを詰めたものを地中に埋めるなどもしている。
カートに乗って畑を案内してくれた。
驚くべきは、ここではビオデナミック(バイオダイナミック)農法という極めて伝統的な手法でブドウ栽培が行われている。
この農法はドイツのルドルフ・シュナイターという人が提唱した有機農法・自然農法の一種という。普通の有機農法をさらに進めて、生産システムそのものがひとつの生命体であるとの認識のもとでの循環型農法に特徴がある。
月の運行にもとづいた太陰暦の農業暦にしたがって種まきや収穫を行い、農薬として使うのは薬草で、ブドウ畑で育てたハーブを使用する。
土の酸度が高くなるのを中和するため、牛の角の中に牛フンを詰めたものを地中に埋めるなどもしている。
ブドウ畑の耕作には馬も使われている。
トラクターだと土を踏み固めてしまって土中のバクテリアが育たなくなる。しかし、馬はトラクターより軽量であるためその心配がないという。
このやり方は、醸造責任者であるジャン・ミシェル・コム氏がオーナーを説得して始めたもので、今年で12年たつという。
トラクターだと土を踏み固めてしまって土中のバクテリアが育たなくなる。しかし、馬はトラクターより軽量であるためその心配がないという。
このやり方は、醸造責任者であるジャン・ミシェル・コム氏がオーナーを説得して始めたもので、今年で12年たつという。
ちょうど今はブドウの収穫期で、手摘みされたブドウの選別が行われていた。
作業員はポルトガルからの出稼ぎ者で、毎年ポルトガルの村から集団でやってきて、1か月ほどここで寝泊まりしながら収穫作業しにあたっているという。
破砕処理で茎などを取り除いたブドウは、発酵槽に移される。巨大な木の樽。
ブドウは2階から投入するようだ。
中をのぞいてみる。
ポンテ・カネではセメント製の発酵槽も導入されていた。
ズラリと並んだセメントのタンク。
もともとワインの発酵槽は昔からセメントが広く用いられてきた。しかし1960年代以降、ステンレス製発酵タンクが普及するようになり、80年代になってからはメンテナンスが簡単で衛生的にも優れているステンレスタンクがフランス全土に広がっていった。
ところが最近は、より深みのある味が出るといった風味の面や、耐熱性に優れているなどの理由でセメント製(特に多孔質セメント製)の発酵槽が見直され始めているという。ただしセメントは撥水性が弱いため、ここでは酒石でコーティングしているとのことだった。
作業員はポルトガルからの出稼ぎ者で、毎年ポルトガルの村から集団でやってきて、1か月ほどここで寝泊まりしながら収穫作業しにあたっているという。
破砕処理で茎などを取り除いたブドウは、発酵槽に移される。巨大な木の樽。
ブドウは2階から投入するようだ。
中をのぞいてみる。
ポンテ・カネではセメント製の発酵槽も導入されていた。
ズラリと並んだセメントのタンク。
もともとワインの発酵槽は昔からセメントが広く用いられてきた。しかし1960年代以降、ステンレス製発酵タンクが普及するようになり、80年代になってからはメンテナンスが簡単で衛生的にも優れているステンレスタンクがフランス全土に広がっていった。
ところが最近は、より深みのある味が出るといった風味の面や、耐熱性に優れているなどの理由でセメント製(特に多孔質セメント製)の発酵槽が見直され始めているという。ただしセメントは撥水性が弱いため、ここでは酒石でコーティングしているとのことだった。
発酵させたワインは樽に詰めて2年間熟成させるという。
ここにもセメント製のタンクがあった。
見学のあとは試飲。
日本でだったら1本1万円以上はするワインだろう。
(続く)
ここにもセメント製のタンクがあった。
見学のあとは試飲。
日本でだったら1本1万円以上はするワインだろう。
(続く)