善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

スペイン・フランスバスクとボルドーの旅⑯

ボルドー滞在1日目の続き。
サン・ミッシェル教会、サン・タンドレ首座司教大聖堂、サン・スラン教会を見たあとは、カンコンス広場の北にあるCAPC現代美術館へ。
19世紀の羊毛倉庫を改装した美術館。倉庫の広い空間を利用してインスタレーション作品が展示されていて、この日は建築や環境に関係する作品が並んでいた。
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屋上の作品は、リチャード・ロングというアーチストの「ホワイト・ロック・ライン」。
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宿の近くの大時計。かつてここは城門だったという。
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せっかく“民泊”してアパートの一室を借りたのだから、キッチンもあることだし、広い居間で夕食にしようと決める。
ワイン屋さんでワインを買い、パン屋でパン、惣菜屋で惣菜を見繕って宿に帰る。
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ワインは「LES BLONDINS COTE ROANNAISE」という赤ワイン。
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バスクで買ったチーズと、惣菜は電子レンジでチン。食器もそろっているので助かる。

翌日のボルドー2日目は、日本語ガイドによるワインツアー。出発前に日本で予約したもの。
朝8時半に観光案内所前集合というので出かけていく。
ボルドーの朝。
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集合時刻になると白いワゴンがやって来た。
運転手兼ガイド兼通訳は広島県出身の女性で、ボルドーに住んで10数年という。
本日はわれわれ2人だけ。専属の通訳を雇った気分になる。
午前中はメドックポイヤック地区にあるシャトー・ポンテ・カネで見学と試飲。昼食をはさんで午後はサンテミリオン地区にあるシャトー・フラン・メインで見学と試飲。夕方5時すぎ帰着の1日コースだ。

まずはメドックをめざす。
ボルドーといえばブルゴーニュと並ぶワインの世界的な産地。
ボルドー産の赤ワインに使用されるブドウはカベルネ・ソーヴィニヨンカベルネ・フランメルローといった品種が中心で、適度な酸味と甘みが溶け合い、その繊細な味わいから「ワインの女王」と呼ばれる。
そのボルドーの中でも、最高級のワインがつくられるのがメドック地区であり、サン・テステーフ、ポイヤック、サン・ジュリアン、リストラック・メドック & モーリス、マルゴーの6つの村に世界的に著名な格付けシャトーが集中している。

メドックの呼び名は、ボルドーの中心部から北に向かって伸びる半島にある地区であり、半島の西側の大西洋と東側のジロンド川の間に位置するので ラテン語の「水の真ん中」という意味の言葉からきているという。
ジロンド川の川べりに長く伸びる平坦地であり、見た目は野菜や小麦畑が広がってもよさそうな肥沃な洪積地帯の印象だが、実際は粘土と砂質に砂利が混ざった貧弱な地質。これが実はワインにピッタリのブドウの栽培に最適なんだそうだ。

一方のサンテミリオンは、ドルドーニュ川の右岸に迫る小高い丘と、それに続く高台及び後背部のゆるやかな起伏をもった丘陵地帯で、畑も傾斜地のものが少なくない。このためメドックはソーヴィニヨンの優位が目立つのに対してサン・テミリオンはメルローが主役になっているという。

まずはメドックの有名シャトーを外から眺める。
シャトー・マルゴー
12世紀のころからワインをつくっているという第1級格付シャトー。
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シャトー・ラトゥール。ここも格付第1級シャトー。
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延々とブドウ畑が広がっている。
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たわわに実ったブドウ。
ブドウって蔓性だから上にのびるかと思ったら、下にのびていた。収穫しやすいように工夫されているのだろう。
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シャトー・ピション・ロングヴィル・コンテス・ド・ラランド。格付2級の名門シャトーだ。
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シャトー・ピジョン・ロング・ビル・バロン。ここも格付2級。
ちなみに、もともとこの2つのシャトーは1つのシャトーだったという。当時の持ち主には5人の子どもがいて、姉妹と男兄弟に分けて相続したため2つのシャトーとなったという。
外から見たシャトーはまさしくお城のようだ。
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そういえばボルドーではワイナリーのことを「シャトー」と呼ぶが、シャトーとはお城の意味。たとえ掘っ建て小屋で細々とワインをつくってたとしても「シャトー何々」と呼ぶ。
これはどうしてかというと、その昔ワインづくりは貴族が手がけることが多く、彼らは自分のお城でワインづくりを行っていたので、シャトーの名が定着したという。やがて貴族が没落してワインづくりから手を引いても、シャトーの名前だけは残ったというわけだ。

車で通りかかったらちょうどブドウの収穫中だった。作業中の人が手を振ってくれた。
最高級ワインをつくっているシャトーでは手摘みにこだわっているという。
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(続く)