善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

スペイン・フランスバスクとボルドーの旅⑬

バイヨンヌ滞在2日目はサン・ジャン・ピエ・ド・ポールへ日帰りの小旅行。

サン・ジャン・ピエ・ド・ポールはピレーネ山脈のふもとに位置する小さな町。人口1500人ほどという。
しかしここはヤコブの墓があるスペインの聖地サンティアゴ・デ・コンポステーラをめざす「サンティアゴの巡礼路」のフランス側の拠点となっている宿場町であるため、1年中観光客でにぎわっているという。
巡礼者にとってピレーネ越えは最大の難関であったため、フランス国内を歩いてきた巡礼者たちはここで体を休める必要があった。
今回の旅行の前に読んだ司馬遼太郎の「街道をゆく」シリーズの「南蛮の道」にもこの町が登場していた。

サン・ジャン・ピエ・ド・ポールまではフランス国鉄のローカル列車が走っている。しかし、この日は帰りは電車だが行きはバスだという。乗客の数が少ないのか、車両のやり繰りの問題か。バスか電車かは日によって、あるいは時間帯によっても違うらしい。

1日の本数も極端に少なくて、朝の出発はあまりに早いため11時10分発の便にする。
到着までの時間は1時間15分ほど。
山間の道路を行くバス。
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鉄道の駅前に到着。
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乗っていたのは多くが重い荷物を担いだ巡礼者とみられる人々。
駅は町の外れにあり、中心部をめざす。
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途中、「XOKO」というレストランを発見。
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司馬遼太郎の「街道をゆく 南蛮の道」に登場した店と名前が似ている。
司馬はサン・ジャン・ピエ・ド・ポールで「XOKO GOXOA」というホテル兼レストランで昼食をとった、と本に書かれてあった。
名前が似てるのでひょっとして同じ店では?と、この店でお昼を食べることにする。
ワイン1本あけ、いろいろ食べたが味はイマイチだった。今回の旅で唯一がっかり。

気を取り直して町の中を散歩。
高台から町をのぞむ。美しい!
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以前、チェコオーストリアを旅したとき、「世界一美しい町」といわれるチェスキークルムロフで1泊したことがあったが、あの町に負けないぐらい美しい町のながめだった。
中世の時代から、この町はきっと変わっていない。

町の中心部に入ると巡礼宿の看板を掲げた建物がいくつもあった。
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観光客も多い。
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フランスを代表するお菓子のひとつ、カヌレの店があったので1個買って食べる。おいしい!
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牛乳にラム酒、バター、砂糖、小麦粉、卵黄などで生地をつくり、蜜蝋を塗った型に流し込んで焼き上げたお菓子。蜜蝋のおかげで外はパリっとして中しっとりのお菓子だ。
蜜蝋はミツバチが分泌するワックス成分。ヨーロッパでは古くからロウソクの素材として利用してきたが、天然成分なので食用としても利用されてきた。
そういえばカヌレはもともとボルドーの女子修道院でつくられたのが最初という。
教会のロウソクがヒントだったのかもしれない。
蜜蝋を火にかけてちょっぴり焦げたのが独特の味となっている。

町の中心を流れているのはニーヴ川だった。この川が延々と流れていって、バイヨンヌに達している。
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映画館の看板があった。
映画の題名は忘れたが上映は1日1回夜だけで、町の人々にとっての楽しみなのだろう。
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行きはバスだったが、帰りはローカル列車だった。ローカルといいながらなかなか新しそうな車両だ。16時51分発でバイヨンヌ到着は17時48分。ほぼ1時間かかるがバスよりは若干早い。
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運転士はジーパンに普段着のラフな格好。女性車掌と開けっ放しの運転席で一緒だった。なかなかオープンなフランス国鉄
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夜は前日と同じニーヴ川沿いのレストランへ。
「A TABLE!」という店。予約はせず、外から見てよさそうと入った店だが、運よくテーブルが空いていて、マダムらしい女性がやさしくいざなってくれた。
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ワインは「LE PUY BEL-ABORD Sant-Nicholas-de-Bourgueil SAUVION 2015」。
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料理もグーでした。
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本日の歩数 1万9435歩。ずいぶん歩いた。