木曜日朝の善福寺公園は曇り。その後、次第に日が差してくる。
赤くなったモミジの下にカワセミが飛んできて、小魚をゲット。
たちまち飲み込んで、満足したのかおすまし顔。
最近よくこのあたりで見るようになったシローくんだろうか。
紅葉したモミジがお似合いのシローくん。
水生植物のアサザが群生しているあたりではヒドリガモのカップル。
池をめぐっていると、水面に近い杭の上にカワセミ。
さきほどのシローくんが飛んできたのだろうか?
さらに池をめっぐていって、南の端のほうにいくと、今度はメスのカワセミ。
上のくちばしの曲がり具合から察するに、ヤエちゃんのようだが。
それにしても、いつ見ても見事なくちばし。
鋭く伸びるカワセミのくちばしに学んだものに、新幹線の先頭車両がある。
1997年3月に「のぞみ」の車両として登場した500系と呼ばれる新幹線は、カワセミのくちばしを参考に設計されたことで知られる。
500系は流線型の近未来的なフォルムで「男前」と称され、ファンからこよなく愛されてきて、かつては東海道・山陽新幹線、今も山陽新幹線で走っていて、依然として人気や知名度は高い。
新幹線が高速でトンネルに突入すると、抵抗の変化によって空気の圧縮波が生じ、俗に“トンネルドン”と呼ばれる大きな音がする。
解決策はないかと、技術者たちは抵抗の大きな変化を常時経験している生き物はいないか探して、探し当てたのがカワセミだった。
カワセミは高速で水中に飛び込んで魚を獲るが、そのとき空気中と水中で1000倍もの抵抗差が生じるにもかかわらず、水しぶきが極めて少ない。
カワセミのくちばしの鋭い形は水の抵抗を最も小さくする形状なのではないかと、大がかりな実験による測定と、スーパーコンピューターによる解析が導き出した新幹線の先頭形状は、カワセミのクチバシに極めて近似し、技術者たちのひらめきが正しかったことが証明されたという。
先頭車両の形をカワセミのくちばし型にし、車体の断面も円形にした結果、走行抵抗は30%減り、トンネル出口での騒音が解決。消費電力も15%減ったという。
人は常に自然の生き物から学んでいる。
それは人もまた自然の一部であるからなのだろう。