日曜日朝の善福寺公園は快晴。移動性の低気圧が過ぎ去って抜けるような青空。やはり11月3日は晴天の特異日だ。
いよいよきょうから国際野外アート展「トロールの森2024」が開幕。2002年にスタートして今年で23回目。JR西荻窪駅周辺から都立善福寺公園にかけてのエリアを舞台に、野外展示をはじめ駅や街中でのアートや身体表現など多彩なプロジェクトが展開される。
詳しくは下記のサイトへ。
「トロールの森」の今年のテーマは「風のにおい」。
公園内の野外展示作品のひとつ、久木田茜「Japanese Ornament?」
美術大学の大学院に通う現役の学生さんで、作者のコメント。
「私はこれまで『装飾』における『自然に反応して制作を続けてきました。今回は、古銭に施された装飾がモチーフです。作品で用いる古銭の装飾モチーフは、菊紋や桐紋、桜紋など古い時代から使用されてきた日本を思わせる文様です。文様が本来持っている生命力を呼び覚まし、調和と多様に満ちた有機的な形を見せることがテーマです。どうぞ、卓上に小さな世界を覗き見てください』
川嶋貫介「善福寺山」
公園の中に出現した落葉でできた山?
鹿児島大学細海研究室「風の音色」
建築家の細海拓也さんが主宰する研究室で、「建築と芸術」の連関を研究し、新しい建築と未来のあり方を探求しているという。
風になびくススキをイメージした作品で、南京玉すだれの構造を用いて色とりどりの円筒をつなぎ合わせてある。風が吹くとシャラシレラと音を奏で、日光を浴びてキラキラと輝き、大地には揺らめく色影が映し出されるので「きて、見て、聞いて、秋の訪れを体感してください」と作者のメッセージ。
三石玄「風の構造」
作者は、石灰と砂、石、顔料などを用いてフレスコによるインスタレーションを発表している人。
この形をつくるとき、人の気配を表すためにズボンなどの洋服を使ったという。どこに、何が使われているのか? 行ってみてじっくり観察するしかない。
作品を見ながら池をめぐっていると、カワセミ。
オスのマルちゃんかな。
Sunhaus「いふ」
竹、木材、布、廃棄物でつくった高さ5mのやぐら。
「いふ」ってどういう意味?
中村岳「遡及空間」
中村さんは絵描きで、「三次元絵画」という考え方を持っている。あるとき、野外で自由に空中に絵を描きたいと思って、木材にアクリル絵の具を塗って絵筆の代わりに組み立てていったらこんな作品ができた。
何と、自由に空中に描かれた絵がそこにある!
池ヶ谷務「溶ける風」
作者は主に金属素材による彫刻、インスタレーションを制作している彫刻家。
テーマは「透明な風景を包み込む熱、風、光。地表に漂う水蒸気のゆるやかな循環」だそうだが、地表から立ち上るものはいったいどこへ行くのか?
Team Mixⁿ姚雄翊
大きな白い布が風に揺れている。
風はどうやったら見えるでしょうか?
木漏れを観察して、なぜこの現象があるか考えてみましょう。
木に巻いた糸にはどんな意味があるでしょうか?
と、作者からの問いかけ。
中川彩萠「Windows2024」
作者はいけばな・インスタレーション作家。
巨大な門?は紙紐でできているという。
作者のコメント。
「窓を開ける。扉を開く。入ってくる風の匂いを感じて、想像してみる。風はどこから吹いてくるのだろう。そう、窓を開けて、私たちはどことでも繋がれる」
秋のぬくもりに誘われてモンシロチョウがヒラヒラ舞っていて、葉っぱにとまった。
ワカバグモが獲物をゲット。
秋は食欲の季節。