金曜日朝の善福寺公園は晴れたり曇ったり。きのう19日は彼岸の入り。それでも暑さは続く。
けさも上池には2羽のカワセミ。
いつもの定位置にオスのマルちゃん。
そのそばをスイスイ移動していくのはカイツブリ。
相変わらず1羽だけのようだが。
池の反対側の、これまた定位置にメスのヤエちゃん。
2羽の棲み分けは完了したのだろうか、闖入してきた若いカワセミの姿をここ2、3日見ない。
上池から下池へと向かっていると、チッチッチッと金属音に似た小型の鳥の地鳴きが聞こえる。
目を凝らすと、ウグイスぐらいの大きさの鳥。
羽の色や目の上の白くて細長い眉斑からするとエゾムシクイらしい。
エゾムシクイは日本では夏鳥で、夏季に繁殖のためやってきて、主に中部地方以北の山地に生息し、冬になると東南アジアへ渡って越冬する。
おそらく、日本の山地から南への渡りの途中に善福寺公園に立ち寄ったのだろう。
上池と下池をつなぐ小川(遅野井川)の上を行ったり来たりしていて、やがて川に近づいていった。
どうやら水浴びをしたいらしい。
しかし、小さな鳥にとって水浴びするというのは一番無防備になる瞬間。
いつ天敵が襲ってくるかわからないというので、なかなか水浴びを始めない。
石の上に飛び乗ってはあたりを警戒し、また別の石の上と、何度も繰り返し、スキをみてようやくパシャパシャと水浴びして飛び去っていった。
その様子がなんともかわいくて、ついつい見とれてしまった。
エゾムシクイは漢字で書けば「蝦夷虫食」。
蝦夷といえば北海道の古名だが、もっと古くは大和朝廷に服さなかった東北地方以北を蝦夷と呼び、平安期以前は「えみし」と称していた。
虫食というのは主食が昆虫類なのでこう呼び、ムシクイという名のつく鳥はほかにもセンダイムシクイなど数多い。
下池をめぐっていると、池のほとりに目玉模様のイモムシが何匹もいて、盛んに葉っぱを食べていた。
ガの仲間のセスジスズメの幼虫のようだが、いつも思うのは目玉模様が実に芸術的なこと。
天敵を威嚇するため、ヘビに似せて擬態のための模様なのだろうが、天敵ではない人間の目からするととても美しく思えるのだが(気持ち悪いと思う人にはゴメンナサイ)。
芸術的といえば、久々に見るアオバハゴロモの成虫も芸術的。
全身薄緑色をしていて、翅のふちにピンクっぽいラインが入っている。
これを着物姿の日本の芸者の美しさにたとえて、学名は「Geisha distinctissima」。