善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

ミツカドネギの茎が三角のワケ

日曜日朝の善福寺公園は雨。きのうから雨が降り続き、けさは小雨の中、公園1周。

 

公園に着くと、散歩する人が少なくて安心なのか、カルガモが陸に上がってエサを探していた。

 

雨に濡れてニワトコの花が咲いている。

ハリー・ポッター」に登場する魔法使いが愛用するのが“ニワトコの杖”で、魔法使いに最強の力を与えてくれるのだという。

漢字で書くと「接骨木」。これは中国の表記で、葉や根を骨折の治療に用いる薬としたことによる。

ニワトコの語源は不明だが、古い和名のミヤツコギ(美夜都古木/宮子木/御奴木)が転訛したとする説、京都の方言とする説などがあるという。

 

雨が降っても鳥たちは元気に飛び交っている。

何しろ雨が降ろうがヤリが降ろうが食べていかなくちゃいけない。

メジロが首を伸ばして枝をつついている。

 

満開のサクラの下で、ツグミはこれから帰るふるさとを思っているのだろうか。

望郷のツグミ

 

エナガは繁殖期に入って2羽で行動している。

 

メジロが群れで飛んできた。その数のすごいこと。

大好物のサクラの花蜜を吸っている。

 

白い花が群生していた。

茎の断面が三角になっているミツカドネギ(三角葱)。

地中海地方を原産とするヒガンバナ科ネギ属の多年草で、名前のとおりネギ(葱)やニラ(韮)の仲間でハーブの一種という。

それにしても、なぜ茎の断面が丸や四角ではなく、三角なのか。

英名も「Three-cornered leek」。やっぱり目のつけどころは一緒だ。

表面積が少なくてすむからだろうか。

あるいは茎を倒れないように立たせるためには断面が三角のほうが有利と思ったのか?

同じ三角の断面の茎を持つものにカヤツリグサがあり、その理由として、カヤツリグサは根元に葉がついていて茎の先端に穂をつける構造をしているので、先端に重い穂をつけるには茎と垂直方向に強い構造をしている可能性が強いと推測され、三点で立つ構造のほうが安定性が高いからではないかという。

この点はミツカドネギも同じで、虫を呼び寄せるためか細い茎の先端に花をつけているから、どうしても先端が重くなる。

なぜ三点構造のほうがいいのか。カメラの三脚も三点構造だが、実は高さ634mで世界一高いタワー「東京スカイツリー」の足元は三角形でできているのだという。

なぜ三角なのかといえば、三角形は細長いタワー構造に最適な小さい面積で横方向の力に強く安定している形だからだという(ちなみに東京タワーは4本足)。

むろん数が多ければ多いほど安定性も増すだろうが、その分、コストもかかる。その兼ね合いで、もっとも少ない本数でなおかつ安定性の高さを求めるとしたら3本足となる。

つまり、細長く立つためにもっとも少ないエネルギーですむのが三角構造であり、そのことをミツカドネギは、この植物が誕生する遥か昔から知っていたというわけなのだろう。

 

公園から帰ろうとしたら、カワセミの鳴き声が聞こえる。

池のほとりに、サクラらしいメスのカワセミがやってきていた。

子づくりはどうなってるの?と聞いてみたがむろん返事はなかった。