善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

赤トンボとセミヤドリガ

金曜日朝の善福寺公園は曇り。風は弱い。
けさも公園に携帯ラジオを持っていってラジオ体操。
きょうの中継場所は福島県郡山市だった。
体操の“オジサン”は郡山の紹介の中で「郡山市は東北のウィーンと呼ばれてます」といっていた。
へー、そうだったのか。

池をめぐっていると赤っぽいトンボを発見。
赤トンボのようだ。
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コシアキトンボからシオカラトンボ、そして赤トンボと、初夏から盛夏、そして秋へと季節は巡る。
たしかに暦の上ではすでに立秋をすぎているが、連日の猛暑。
まだきれいな赤には染まっておらず“ウブ”な赤トンボのようだった。

けさはあちこちの木の幹にセミの成虫がとまっていた。
中には脱皮に失敗したのか、死んだセミも多い。

青緑色が鮮やかなミンミンゼミ。
しかし、おなかの下の方に白いマユのようなものが2個ほどとりついている。一体なんだろう?
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不思議に思って帰って調べたら、白いものの正体はセミヤドリガの幼虫だった。
名前の通りセミに寄生してセミの体液を吸って成長する。
では吸い取られるほうのセミの運命はというと、多少飛ぶのは不便だろうが、幸いなことに寄生されることでセミが死んだり産卵できない、ということはあまりないという。

それにしてもセミヤドリガの幼虫はどうやってセミに寄生するのだろう。
親は、樹皮の下などに卵を産み付けるという。セミが飛んできて木にととまると、セミのハネの振動などを感じて孵化し、すばやくセミに取りついて寄生生活に入るといわれる。

もっともセミの成虫の寿命は2週間ほど。ヤミヤドリガの幼虫はその間に一生分の栄養を吸い取り体内に蓄える。
やがてセミの寿命が尽きるころ、ガの幼虫はセミの腹部から糸を吐きながら離脱し、宙を揺れるにまかせてマユづくりのための場所を探す。適当な場所を見つけてそこでサナギとなり、脱皮して成虫となる。
成虫は卵を産み、卵は翌年の夏にセミがあらわれるのを待って冬と春をすごす、というわけだ。
セミにとってはいい迷惑だが・・・。