木曜日朝の善福寺公園は、始め曇り、やがて小雨が降り出す。
ピタッと張りつくようにしてとまっているのは鮮やかな緑色のガ。
ヨツモンマエジロアオシャクのようだ。
黄緑色で、前翅と後翅の接する部分に褐色で縁どられた2対の白色紋を持つシャクガ。前翅の前縁部は白く縁取られているので四紋前白青尺蛾。
上池から下池に向かうと、若そうなオスのカワセミ。
今年生まれた若造の小四郎くんだろうか、それともそれより若い六兵衛くん?
下池を1周して再び上池に向かう。
雨にぬれたクコの実が色づいてきていた。
アゲハ(ナミアゲハ)幼虫がいたので近づくと、危険を察して黄色いツノを伸ばしてきた。
幼虫は4齢までは鳥のふんのような黒っぽい斑模様だが、終齢になると鮮やかな緑色になる。
頭の後ろから出す黄色いツノは臭角といって、ほかのチョウの幼虫にはないアゲハ独特の“武器”。普段は皮膚の下に格納されているが、天敵がやってきたりして危険を察知するとて突き出てきて、敵を威嚇する。
臭角の表面は揮発性の分泌物で覆われていて、臭いにおいを発散させて敵を寄せつけないようにするという。
臭いの素は主にテルペン系の成分らしいが、幼虫の天敵の1つであるアリを使った実験では一定の忌避効果が認められたそうだ。
離れてから見ると、黄色いツノはなくなっていた。
近くにはキアゲハの幼虫。
やはり3齢幼虫までは鳥のふんのような黒っぽい斑模様だが、4齢になると白地に黄色と黒の模様になり、終齢幼虫は黄緑色と黒の縞模様になる。
とするとこの幼虫はまもなくサナギになって冬を越すのだろうか。
上池に戻ると、常駐組のカルガモに混じって、2羽の見慣れないカモが泳いでいた。
1羽はどうやら、秋から冬になるとシベリアあたりからやってくる“冬の使者”オナガガモのようだ。
メスのようだが、いつも集団でやってくるはずで、ほかの仲間はどうしたんだろうか?
しかし、もう1羽は?
数日前にも見たが、冬鳥としてやってくるコガモのメスだろうか?