イタリア・トスカーナの赤ワイン「サンタ・クリスティーナ・キャンティ・スペリオーレ(SANTA CRISTINA CHIANTI SUPERIORE)
14世紀よりワイン史に足跡を残すトスカーナ州フィレンツェのワインメーカー、アンティノリが手がけるブランドの1つ、サンタ・クリスティーナ。
生産地はトスカーナのキャンティ地方で、サンジョヴェーゼとメルロをブレンド。
やわらかい口当たりのワイン。
ワインの友で観たのは、民放のBSで放送していたデンマーク映画「THE GUILTY/ギルティ」。
2018年の作品。
現代「DEN SKYLDIGE」
監督・脚本グスタフ・モーラー、出演ヤコブ・セーダーグレンほか。
画面に登場するのはほとんど警察本部の緊急通報指令室内にいる1人だけという異色の映画。あとの主要人物はすべて声だけの出演。
コペンハーゲン警察の刑事アスガー(ヤコブ・セーダーグレン)は、ある事件の捜査中に正当防衛を理由に容疑者を殺害したことが罪に問われ、現在は捜査の第一線から外されて、緊急通報指令室のオペレーターの任務についている。翌日の裁判で同僚の刑事が彼に有利な証言をする予定になっていて、それにより罪を免れて第一線に戻れるはずで、退屈なオペレーターの仕事の最後の日。
いつものように緊急ダイヤルでかかってくる酔っぱらいの電話対応や交通事故の処理などをこなしていくうち、イーベンと名乗る女性からの通報を受ける。どうやらその女性は元夫の男に誘拐され、車に監禁されて運ばれているところらしいのだが・・・。
その後も映像は、座って電話対応するアスガーを映すだけで、誘拐されたイーベンや、自宅で留守番しているイーベンの6歳の娘、イーベンの元夫、アスガーの相棒刑事、所轄の警察署のオペレーターなどの声だけが聞こえてくる。
映画を見ているほうも、アスガーと同じ状況下で、電話で聞こえてくる女性の声や息づかい、物音など、かすかな音だけを頼りに想像力をふくらませて事件を追っていく。
映像として登場するのはほとんど1人でアスガーのアップばかりなのに、まるで犯罪の現場にいるような気分になって、ハンパのない緊迫感で、最後まで手に汗を握る展開。
しかも、誘拐事件にはどんでん返しがあり、聞こえてくる声には、真実の声もあればウソの声もあることを教えてくれる。
電話で人をだますオレオレ詐欺と同じで、姿の見えない声には“魔物”が潜んでいるのかもしれない。
ついでにその前に観た映画。
民放のBSで放送していた韓国映画「めまい 窓越しの想い」。
2019年の作品。
監督チョン・ゲス、出演チョン・ウヒ、チョン・ジェグァン、ユ・テオほか。
現代社会の生きづらさを描き、そこに希望はあるのかと問う映画。
高層ビルにあるオフィスで働くデザイナーのソヨン(チョン・ウヒ)は安定した生活を求めているが、契約社員であるため、いつ契約終了をいい渡されるかわからない。しかも上司のジンス(ユ・テオ)との社内恋愛は2人の秘密であり、毎晩かかってくる母親からの電話はカネの無心ばかり。
ストレスから耳鳴りとめまいに苦しむ日々に我慢ができなくなり、彼女の中の緊張の糸が切れそうになったとき、オフィスの窓の外からロープにぶら下がったままソヨンを見つめる清掃員のグァヌ(チョン・ジェグァン)の存在を知る。
グァヌは窓越しに見るソヨンに強くひかれていくが・・・。
「めまい」という題にヒッチコックの「めまい」を連想してミステリーかと思ったら、息苦しい日々に揺れ動く女性と窓拭きの清掃員が高層ビルの窓越しに紡ぐラブ・ロマンスだった。
ソヨン役のチョン・ウヒが、セクハラや非正規社員という扱いの中で、もがきながらも自分を見失うまいと苦闘する姿を好演していた。
NHKBSで放送していたアメリカ映画「無法の王者 ジェシイ・ジェイムス」。
1957年の作品。
原題「THE TRUE STORY OF JESSE JAMES」
監督ニコラス・レイ、出演ロバート・ワグナー、ジェフリー・ハンター、ホープ・ラング、ジョン・キャラディン、アグネス・ムーアヘッドほか。
アメリカ西部史を飾った無法者ジェシイ・ジェイムスの波乱に富んだ後半生を描く伝記映画。
南北戦争の起った1861年、ミズリー州サミュエル農場の医師を父に持つ18歳のフランク・ジェイムス(ジェフリー・ハンター)は南軍のゲリラ部隊に入って活躍していた。フランクにはジェシイ(ロバート・ワグナー)という弟がいたが、64年、北軍ゲリラ隊の襲撃で一家が追放されるや、16歳だったジェシイも兄のゲリラ部隊に入った。
翌年、南北戦争は終わり、ジェシイはジェイムス家が頼っていた家の娘ズィー(ホープ・ラング)と恋仲になるが、ミズリー州になおも燻る南北抗争の渦に巻き込まれ、ジェシイの農場は焼打ちされ、2人の結婚も無期延期となる。
家族を守るためにはカネが必要であり、銀行にあるのはどうせ金持ち、つまりは北軍のカネなのだから奪ったって問題ないと、仲間とともに銀行強盗を始める。次々と強盗を働くうち、ジェシイには生死を問わず2万5千ドルの懸賞金がかかるようになる・・・。
ジェシイ・ジェイムスが銀行強盗を始めたのは、政府=北軍による南部支配への怒りからだったというのが本作による「TRUE STORY」だが、次第に最初の動機はどこへやら、銀行強盗が彼の“快楽”になってしまった感じもする。
ちなみに、1866年2月13日にジェシイ・ジェイムスが世界初の銀行強盗に成功したことから、2月13日は「銀行強盗の日」なんだそうだ。
このときジェシイはまだ18歳。高額な懸賞金に目がくらんだ仲間の裏切りで殺されたのは34歳のときだっという。