善福寺公園めぐり

善福寺公園を散歩しての発見や、旅や観劇、ワインの話など

きのうのワイン+映画「チャイニーズ・ブッキーを殺した男」ほか

ニュージーランドの赤ワイン「セラー・セレクション・ピノ・ノワール(CELLAR SELECTION PINOT NOIR)2020」

ワイナリーはシレーニ・エステート。

ピノ・ノワール100%。

シレーニが所有するピノ・ノワールの畑は、北島の東海岸に位置しニュージーランドの中で最も温暖で日照が最長となるホークス・ベイにある。その中でもより内陸部の標高が高い場所に位置していて、ドライで涼しい気候なためピノ・ノワールの栽培に適しているのだとか。

さらっとした口当たりで飲みやすいワイン。

 

ワインの友で観たのは、民放のBSで放送していたアメリカ映画「チャイニーズ・ブッキーを殺した男」。

1976年の作品。(日本初公開は1993年3月)

原題「THE KILLING OF A CHINESE BOOKIE」

監督・脚本ジョン・カサヴェテス、出演ベン・ギャザラ、ミード・ロバーツ、ティモシー・アゴリア・ケリーほか。

 

コズモ・ヴィテリ(ベン・ギャザラ)は、L.A.の場末のストリップクラブ「クレイジー・ホース」のオーナー。ストリッパーたちと芸人ミスター伊達男(ソフィスティケーション)(ミード・ロバーツ)のショーが売り物で、店は小さいながらも繁盛している。

ある日、長年の借金を払い終え、ついに一国一城の主となった感触に浸るコズモは、踊り子たちを連れて盛大に街へと繰り出す。ところが、プライベートクラブでポーカー賭博に大負けして、マフィアに借金をつくってしまう。

返済できないコズモに、マフィアは借金を帳消しにする話を持ちかけるが、それは対立する暗黒街のボス、チャイニーズ・ブッキーの殺害計画だった。

何とか殺害を実行したコズモだったが、マフィアは最初からコズモを消すつもりでいて、彼は腹に一発食らいながらも何とか逃げ延びて、店に帰っていく。しかし、舞台には誰も出てなくて客席からは「早く始めろ」のコール。不審に思って楽屋にいくと、ミスター伊達男がごねていた。「客は女の裸ばかりが目当てで、誰もオレの芸など観ていない。何もかも嫌になった」。コズモは精一杯、慰める。「きみの芸は最高だ。だから元気を出しておくれ」。

ようやく芸人たちが舞台に上がり、店が再びにぎやかになると、コズモは大量に出血した脇腹に手を添え、痛みに耐えながら、夜の店の前に立つのだった。

 

ほぼ自然光だけで撮ったようなドキュメンタリータッチふうで、しかし華やかさは失わず(何しろストリップクラブの物語)、一風変わった映像の撮り方が46年前の映画とは思えないほどになかなか斬新。

マフィアに追い詰められて対立する中国人のボスを暗殺するという劇的な展開のはずなのに、映画のほとんどの時間はストリップグラブの日常を淡々と描いている。

コズモ役のベン・ギャザラが、苦悩し、葛藤する主人公を哀愁たっぷりに演じていて、賭博で人生をダメにしてしまう、しょうもない男の物語なのに、なぜか強く同情し、共感してしまう。

 

ついでにその前に見た映画。

民放のBSで放送していたフランス・イタリア合作の映画「リオの男」。

原題「L' HOMME DE RIO

1963年の作品。

監督フィリップ・ド・ブロカ、出演ジャン=ポール・ベルモンドフランソワーズ・ドルレアック、ジャン・セルヴェほか。

 

アクション満載の痛快冒険コメディ。

ブザンソンで見習航空兵をしているアドリアンジャン=ポール・ベルモンド)は、1週間の休暇で恋人のアニエスフランソワーズ・ドルレアック)の住むパリにやってくる。

しかし、ついた早々、博物館に展示されていたアマゾン古代文明の土像が盗まれる事件が発生。土像の発見者の娘であるアニエスが誘拐され、犯人がアニエスをブラジル行きの飛行機に乗せようとしているのを見つけたアドリアンは、とっさにその飛行機に乗り込む。

土像は全部で3体あり、すべてそろえれば財宝の隠し場所がわかるといい伝えられていた。アドリアンは土像の秘密を暴いてアニエスを無事救出するべく奔走するが・・・。

 

古代文明の秘宝をめぐり、ブラジルを舞台に陸・海・空とジャン=ポール・ベルモンドが縦横無尽の大活躍。

見ている途中で、スピルバーグの「インディ・ジョーンズ」シリーズになんか似てるなーと思ったら、スピルバーグは若いときに「リオの男」を9回も観ていて、「インディ・ジョッーンズ」の原点となった作品だった。

CGなんかない時代、スタントマンを使わず、壁をつたったり、高所からロープにぶら下がったり、崖から飛び下りたり、体を張っ演技はトム・クルーズの一連の作品に似てるなーと思ったら、トム・クルーズだけじゃなくジャッキー・チェンなんかもこの映画の影響を強く受けているのだそうだ。

 

ヒロインを演じたフランソワーズ・ドルレアックがベルモンド以上に自由奔放。 

彼女はカトリーヌ・ドヌーヴの1歳年上のお姉さんで、彼女を一躍スターにしたのがこの映画だったが、1967年に自動車事故により25歳の若さで亡くなっている。

 

話の筋より、アクションが楽しい冒険活劇物語だった。