火曜日朝の善福寺公園は曇り。きのうと同じに朝から蒸し暑いが、風が多少あるのが救い。
きょう6月21日は夏至。1年で一番昼の時間が長い。
ということは、あす以降、冬に向かっていくことになる。
散歩に行く途中、民家の庭からザクロの花が顔を出していた。
けさの上池のカワセミは?
異変が起きていた。
きのうまでは、オスのブンジ(B2)とメスのH子が交代で1羽ずつで出てきていたのが、けさは2羽とも出てきていて、近くに寄って鳴き交わしたりしている。
交代で卵を温めていると思ったのだが、ひょっとしてヒナが生まれたのか?
それとも卵は天敵に食べられちゃったのか?
すると、木陰に見慣れないカワセミが1羽。
明らかに幼鳥だが、飛び立ってからだいぶたってるらしく、自分でエサを獲って食べちゃったりしている。
善福寺川で生まれたのが新天地を求めてここまで飛んできたのか?
ときどき上を気にしている。
こっちを向いたところ。脚は黒いし全体にくすんで見える。
カワセミはテリトリーを主張するから、自分の家族じゃないのがいれば追い払うはず。
この幼鳥は大丈夫か?
池をめぐっていると、さきほどのブンジくん。
ナゾの幼鳥があらわれたのを知ってか知らずか?
高い木の枝の陰で、ツミが獲物をついばんでいるところに遭遇。
メスのようだが、ガシガシと食べる姿はいかにも猛禽類。
ときおり警戒してか首を上げるが、クチバシの先に赤い肉が見える。
下池ではカワセミの姿はなし。
見つけたのは小さな虫。
ハエトリグモの仲間か、クリクリお目メがキュート。
その近くで見慣れないハチらしきものを発見。
エメラルドに輝く美しい体をしているが、ゴキブリを襲って子どもを育てる寄生バチの仲間、エメラルドゴキブリバチによく似ている。
ただし、エメラルドゴキブリバチは東南アジアやアフリカなどの熱帯地域に生息していて、気温の高い時期には特に成虫の活動が活発になるというが、日本にもいつの間にかやってきていたのか?
エメラルドゴキブリバチとすれば、見た目はいかにも美しいハチだが、その生態を知れば背筋が寒くなる。
このハチのメスは毒針を持っていて、ゴキブリを見つけると毒液を注入し、ゾンビのようにゴキブリを操るようになる。
操るやり方が凄まじい。まず、ゴキブリの胸部を刺して毒により前脚を数分間マヒさせる。その間に脳を刺すとゴキブリはハチに脳を乗っ取られて、自分の意思では動けない「寡動(かどう)」という状態になるという。
これは体がマヒしているわけではないので、ハチに誘導されればハチの意のままに歩くことができる。それをいいことにハチはゴキブリの触角を引っ張って自分の巣穴まで歩かせる。
そうやって何匹ものゴキブリをゾンビ状態にして集めてきて、ゴキブリの体内に卵を産みつける。卵から孵った幼虫は、やがてゴキブリの体内を食べ尽くて外に出てくるという。
実は「寡動」というのは、ヒトのパーキンソン病の主な症状の1つで、エメラルドゴキブリバチが持つ毒液の成分が治療に役立つのではないかという研究がアメリカで進行中という。
パーキンソン病は脳細胞が徐々に死んでゆく神経変性疾患であり、神経伝達物質のドーパミンをつくる細胞が変性し、ドーパミンが不足してさまざまな症状があらわれるといわれているが、まだはっきりした原因はわかっておらず、根本的な治療法はない。
エメラルドゴキブリバチの毒液を成分分析したところ、これまで知られていなかった新しいタイプのペプチドが含まれていることが明らかになっているという。
ひょっとして、そのペプチドがゴキブリのドーパミン生産を妨げているかもしれず、パーキンソン病の治療に役立つ可能性があるかもしれない。
見た目美しくも実はおぞましいエメラルドゴキブリバチ。ひょっとしてヒトの難病治療に役立つかもしれない。
その後、家に帰っていろいろ調べてみたら、やはりエメラルドゴキブリバチは日本には生息していないようだ。近縁種に少し小さめのセナガアナバチがいて、こちらは日本に生息している。
エメラルドゴキブリバチと同じようにゴキブリを毒でゾンビ化させ、卵を産みつけるというから、大きさが違うだけで、似たような種類なのかもしれない。
ハチを見つけたのはヒノキの古木。
裏にまわると、木の洞の中からヘビが顔を出していて、やがて逃げていった。
エメラルドゴキブリバチも怖いけど、こっちもゾーッ。
ヒメオウギスイセンが咲き出した。
いつもは早朝はつぼみのままのアサザの花が咲いていた。
気温が高いためか、夏至と聞いてうれしくなったのか。