上池ではすぐ近くにカワセミがとまっていた。
オスのB2くんだろうか。
池をめぐっていると、カワセミの鳴き声が聞こえてきて、目を凝らすと2羽が並んでとまっている。
さきほどのB2くんとメスのH子か。
右のメスがツツツツと近づくと、逃げるように飛び立つオス。
先日も同じような光景をみていて、オスが逃げるものだからメスはプイと怒ってどこかにいなくなっちゃったが、けさはどうかとみていると、ナント、オスがメスに乗っかって交尾を始めた。
上のオスはクチバシでメスの頭を押さえつけている。
やがてオスは飛び立ち、どこかへ消えて行った。
このカップルはすでに卵を産んでメスが抱卵していたはずだが、卵を天敵に食べられたりでもしたのか、メスも再び池にあらわれるようになっていた。
おそらくもう一度、仕切り直しで子づくりを始めたのだろう。
今度こそ、うまくいくといいね!
池の端には三郎くんらしいオスのカワセミ。
この三郎くんには下池にメスのサクラちゃんがいるはずだが、あとで聞いた話では、サクラちゃんは公園の下池あたりに出没している猛禽系のツミに食べられちゃったらしいという。
ツミがカワセミを捕まえた瞬間の写真を撮った人がいて、果たしてうまく逃げることができたのか、そこのところはわからないが・・・。
もしサクラちゃんが食べられていたとしたら、ちょっとショッキングな話だ。
緑色のカメムシ。
チャバネアオカメムシかな。
葉っぱの陰でジッとしている大型のガがいた。
オオミズアオだ。
青白色の美しいガ。
近づいても動かない。羽化した直後で翅を乾かしているのか。
それにしては翅の下の方がちょん切れている。
オオミズアオ(大水青)はヤママユガの仲間で、かつての学名は月の色に似ているという意味からか、ギリシア神話の月の女神アルテミスの名が冠されていた。
さらにそっと近づく。
大きな触角が櫛状になっていて、どうやらオスのようだ。メスの触角はもっと細いという。オスは櫛状になったこの大きな触角でメスの出すにおいをキャッチするのだろう。
しかし、こんなに美しいオオミズアオには悲しい物語がある。
幼虫のころはカエデやサクラなどの葉を食べて育つが、成虫になると口が退化してなくなってしまい、ものを食べたり飲んだりすることができず、1週間ぐらいしか生きられない。
その短い間に相手を探し、メスは卵を産んで死んでしまう運命にある。
サシガメの幼虫がチョウかガの幼虫の“生き血”を吸っている。
サシガメは幼虫の段階からすでに肉食。鋭い口吻を獲物に突き刺して中の体液を吸って成長する。
被害に遭ってる幼虫はまさかオオミズアオの幼虫じゃないだろうが。
“生き血”を吸われている幼虫が「ひぇーっ」といってみたいに見える。
都会の小さな公園でも、自然のドラマが進行している。